栄養療法を実践する上で、細胞の構成や働きを理解することは最低限必要なことです。細胞の中で抑えておくべきものは、ミトコンドリア、細胞膜、小胞体、核の4つです。
今回はミトコンドリアと小胞体について取り上げてみたいと思います。
ミトコンドリアとは?
- 細胞内小器官の一つで、ATPを産生する
- 各細胞に300~数千個、
全身では1京個(体重の10%)存在する - 特に心臓や肝臓に多く存在
- 暗赤色の色はシトクロム酵素の色である(図では緑色ですが実際は暗赤色)
例外として、赤血球は分化の過程で脱核し、ミトコンドリアも取り除かれています。ミトコンドリアが取り除かれるのは、酸素を消費するミトコンドリアが赤血球内に存在すると、ヘモグロビンに結合する酸素が少なくなって体の組織に運搬される酸素が減るのを防ぐためだと考えられます。そのため、赤血球は酸素需要が少なく、酸素運搬に適しています。
また、卵子には10万個のミトコンドリアが存在し、受精や着床などには多大なエネルギーが必要となるため、エネルギー不足の影響を受けやすいです。
疲労系疾患はミトコンドリア異常
ミトコンドリアは疲労系疾患と密接に関係しています。
「慢性疲労症候群」、「副腎疲労症候群」、「起立性調節障害」、「線維筋痛症」、「甲状腺機能低下症」の5つの疾患に共通していることは、ミトコンドリア機能低下あるいはミトコンドリア数の減少です。
つまり、ミトコンドリア機能を高めたり、ミトコンドリアの数を増やすようなアプローチが必要です。
がんは遺伝疾患?代謝疾患?
正常な細胞にがん細胞の核を移植すると、どうなると思いますか?
答えは、正常な細胞ができます。
がんが遺伝疾患であるならば、がん細胞の核を移植したら、当然がん細胞ができますよね。でも、正常細胞にがん細胞の核を移植しても、正常細胞ができます。反対に、がん細胞の核を正常細胞に移植しても、やはりがん細胞ができます。
この実験では、がんは代謝疾患としての意味合いが強いと言っています。
この書籍では、『ミトコンドリアは究極の腫瘍抑制因子』と書いてあります。その理由は、ミトコンドリア機能が低下すると、ミトコンドリアと小胞体の共同作業で行われるアポトーシスができなくなるからです。
その結果、本来死ぬべきがん細胞が生き続けてしまうのです。このことからも、やはりミトコンドリア機能を高めるアプローチが必要であることがわかります。
BRCA1、BRCA2とは?
乳がんの多くはホルモン依存性ですが、BRCA1,BRCA2という遺伝子の異常が原因のこともあります。
BRCA1,BRCA2は、がん抑制タンパク質を生成する遺伝子です。がん抑制タンパク質には傷ついたDNAを修復する働きがあり、細胞の遺伝物質の安定性を確保する役割を持っています。
これらの遺伝子のどちらかに変異や組み替えが生じると、がん抑制タンパク質が作られなかったり正常な機能が失われたりして、DNA損傷が修復されないことがあります。そうなると、細胞はさらなる遺伝子変異を起こしやすくなり、その結果としてがんを引き起こす可能性があるのです。
BRCA1、BRCA2における特定の遺伝子変異は、乳がんと卵巣がんのリスクを著しく高めます。
女優のアンジェリーナ・ジョリーはBRCA遺伝子に異常があったので、乳がんの予防的処置を行いました。
STEP1 ミトコンドリアの質を上げる
3つのエネルギー産生経路
下図は解糖系、クエン酸回路、電子伝達系におけるエネルギー産生の模式図です。エネルギーの90%以上はミトコンドリアで作られます。
1分子のグルコースから、解糖系2ATP、クエン酸回路2ATP、電子伝達系 34ATPの合計38ATPが作られます。
重要なのは、34ATPものエネルギーを産生する電子伝達系を動かすことです。
電子伝達系の補酵素はビタミンB群、CoQ10、NADH、シトクロム(鉄)です。
電子伝達系での酸化反応を促進するために、生体では鉄が触媒に使われます。
(鉄は酸化されやすく、酸素の運搬に適しているからです。)
鉄は造血やエネルギー代謝に必須のミネラルですが、過剰に存在すると活性酸素を産生し細胞障害を起こす毒性を示します。そのため、鉄の摂取には注意が必要です。
電子伝達系では次々に電子が受け渡されていますが、時として電子伝達にエラーが生じることがあります。それは活性酸素の原因となります。
ミトコンドリアをケアするには、補酵素を補うことに加え、活性酸素のケア(抗酸化対策)が必要です。特にミトコンドリアのDNAは活性酸素に弱いです。
また、血液検査でUIBC(不飽和鉄結合能)が低い人は、活性酸素の害が出やすいので、鉄を摂るのではなくタンパク代謝を整えることが重要です。
有機酸検査と経路
有機酸検査では、解糖系とクエン酸回路のどこに滞りがあるのかを知ることができます。
この症例では、乳酸とピルビン酸は正常ですが、クエン酸とアコニチン酸が少なくなっています。このことから、ピルビン酸がアセチルCoAを経て、クエン酸に入れ込むところで代謝が止まっていて、補酵素のマグネシウム、ビタミンB群、αリポ酸が不足していると予測できます。
次の症例では、クエン酸は正常だけどアコニチン酸が不足していますね。ここの経路で問題がある人がとても多いです。クエン酸からアコニチン酸への経路は、特に活性酸素に弱いと言われていて、鉄、フッ素、水銀、アンチモン(温かいペットボトル)に阻害されます。
有機酸検査は朝一の尿で調べることができます。この検査では、腸内環境、ミトコンドリア、ビタミン不足、糖質・脂質・タンパク質の代謝など70項目がわかります。ぜひ検査してみてください。
長鎖脂肪酸代謝異常症
有機酸検査で長鎖脂肪酸代謝異常症がある人は、糖質制限をしてはいけません。
糖質制限をする場合、エネルギー産生は脂質由来となりますが、長鎖脂肪酸代謝異常症では脂肪をエネルギーとして使うことができません。
その理由は、長鎖脂肪酸をミトコンドリア内に運搬するときはカルニチンという物質が必要ですが、カルニチンの代謝ができない人は、脂質をエネルギー源として使うことができません。
メチルコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸は脂質代謝が悪い場合に生成される物質で、長鎖脂肪酸代謝異常症がある人は高値になります。
糖質制限をする場合は、有機酸検査でこれらが上昇していないか確認が必要です。
日本では毎年10~50人の新患が発生しているとされていますが、実際はもっと多くいるはずです。
サプリメントでミトコンドリアの働きを良くする
ミトコンドリアのケアに必要なのは、①補酵素を補う、②抗酸化対策でした。
このミトコンドリアサプリには、補酵素のビタミンB群やマグネシウム、抗酸化物質のビタミンCやビタミンEなどが入っています。
当院では、電子伝達系を動かすCoQ10とNADHが入っているサプリを使っています。
その他に、このような栄養素も入っています。
・Lカルニチン(脂肪を燃やす)
・レスベラトール(ポリフェノール、抗酸化作用)
・Nアセチルシステイン、αリポ酸(解糖系を動かす)
・カネカユビキノール、CoQ10(電子伝達系を動かす)
ビタミンCのエンジオール基【-C(OH)=C(OH)- 】には強い抗酸化力があります。このようなOH基を持つ物質は、抗酸化力がとても強いです。
複数のOH基を有するものは、ポリフェノールと呼ばれます。クルクミンやレスベラトール、カテキンはポリフェノールの一種で強い抗酸化力を発揮します。
ミトコンドリア機能低下はメチレーション回路に影響する
ミトコンドリアとメチレーション回路は密接に関係しています。メチレーション回路はホモシステインとメチオニンがぐるぐる回る回路のことです。
メチオニンは、ホモシステインにメチル基が付いたメチルホモシステインのことです。Sアデノシルホモシステイン(SAH)からアデノシンが取れるとホモシステインができます。
この反応でアデノシンが外れて、アデノシンはATPやDNAの核の材料に使われます。
要するに、ミトコンドリアがうまく働かないとアデノシン(ATPの材料)が余るので、メチレーション回路が滞ってしまいます。
STEP2 ミトコンドリアの量を増やす
私たちの体の設計図であるDNA。実は核の中だけでなく、ミトコンドリアの中にも存在しています。しかもミトコンドリアのDNAは、核のDNAとは違う独自のDNAを持っています。
ミトコンドリアは約20億年前、細胞内に寄生した細菌だったとされています。私たちヒトを含む真核生物は、ミトコンドリアを持つことでたくさんのエネルギーを生み出せるようになり、発展してきました。
核内の DNA はヒストンというタンパク質に巻き付いた構造(クロマチン構造)をしています。一方、ミトコンドリアの DNA は環状二重らせん構造になっていて、ヒストンがありません。
つまりDNAが剥き出しなので、活性酸素の害を受けやすいです。損傷を受けやすいのに、修復能力は最低限しかないので、ミトコンドリアは守らなければいけないです。
ミトコンドリア機能はミトコンドリア DNA に影響される
ミトコンドリア DNAが損傷を受けると、ミトコンドリア機能に悪影響を及ぼします。
ミトコンドリアのDNA は核 DNA に比べて少なく、その数少ないミトコンドリアのほぼ全てがエネルギー合成に関与しています。そのため、塩基配列の一部が失われることはエネルギー産生低下に直結します。
卵子のもとである卵母細胞は、胎生期に分裂を開始し、その後は分裂を休止したまま出生し、思春期になると再び分裂が開始します。この成長に多くのエネルギーが使われます。
卵母細胞のミトコンドリアが突然変異すると、子孫に遺伝する可能性があるので、ちょっとまずいことになってしまいます。
最新の不妊治療では、卵子に元気なミトコンドリアを注入する「ミトコンドリア移植術」があります。卵子をいわば「若返り」させる新しい治療法で、大阪のクリニックで4人が妊娠、出産に成功したと発表されました。
最終手段としてはミトコンドリアの移植なんですが、それ以外にもっと気軽にできることはないでしょうか?
ミトコンドリア機能障害がわかるTOX検査
TOX検査は、ミトコンドリアDNAが損傷を受けているかわかる検査です。具体的には、接着剤、農薬、ドライクリーニング、排気ガス、ガソリンなどの揮発性有機化合物の害を受けた場合に、体内に入ってくる毒物を見ます。
汚染物質の代謝物の一つに、チグリルグリシン(TG)というミトコンドリア機能障害の最も得意的なマーカーがあります。チグリルグリシンが高値の場合、ミトコンドリアDNAの突然変異に起因する可能性があります。
なかなかミトコンドリア機能が上がらない人は、TOX検査をやるといいかもしれません。
ミトコンドリアを増やす極意
ミトコンドリアを増やすには、体にエネルギーを必要としていることを分からせることが重要!
- ややきつめの有酸素運動
- 運動前はできるだけ食事はとらない
- 寒中水泳・サウナ後の水風呂
- 寒さを感じると体は「エネルギーが必要だ」と判断し、ミトコンドリアを増やそうとする
- 週末のプチ断食
- ミトコンドリアを増やすためには、空腹感が最も大切
なぜ空腹感がミトコンドリアを増やすのでしょうか?
私たちは毎日約70gのタンパク質を食べ、約200gの体たんぱく質を合成しています。
しかし、食事由来のアミノ酸だけでは200gものタンパク質を賄うことはできないので、タンパク質をリサイクルすることが重要です。
このリサイクル機能のことをオートファジーと言います。
飢餓状態(断食)はオートファジーを活性化する!
オートファジーとは、栄養環境が悪化したときに細胞内でタンパク質のリサイクルを行う仕組みの一つです。
栄養が摂取できなくなるとオートファジーが誘導され、細胞内のタンパク質を分解し、新しいアミノ酸にリサイクルします。
この新しくできたアミノ酸を使って、細胞は栄養が無い環境下で生き延びるのに必要なタンパク質を作り出し、危機を乗り越えようとします。
アポトーシスはミトコンドリアと小胞体の共同作業
アポトーシスとは個体をより良い状態に保つために起きる、プログラムされた細胞の死のことです。
例えば、オタマジャクシからカエルにかわるときに尻尾がなくなるのも、尻尾の細胞がアポトーシスをするからです。
アポトーシスは、ミトコンドリアと小胞体の共同作業で行われるので、小胞体ストレスなどでどちらかの機能が低下すると、アポトーシスを行うことが出来なくなります。
その結果、がんなどの異常な細胞が増殖してしまいます。
これを改善する方法は、小胞体に蓄積した不良在庫を一掃することです。
不良タンパク質の蓄積は小胞体ストレスを引き起こす
その1 小胞体とは
小胞体は、タンパク質合成、脂質やステロイドの合成、解毒などを担う細胞小器官です。小胞体は、その構造と機能によって2つに分けられます。
①粗面小胞体
膜上にリボソームが付着している。
リボソームで合成されたタンパク質を取り込み、濃縮・貯蔵する。
②滑面小胞体
脂質代謝、ステロイドの合成、解毒に働く。リボソーム無し。
その2 小胞体で正しく折り畳む
合成されたばかりのタンパク質は、一本のひも状の構造になっていて、これが正しく機能するには立体構造に折り畳まれる必要があります。
小胞体には、「分子シャペロン」と呼ばれる、いわば「介添え人」のような働きをする分子が存在しており、正しく折り畳まれるのを手助けしています。
しかし、その介添え人の力をもってしても、正しく折り畳まれないタンパク質がときどき出てきます。
その3 小胞体ストレス
小胞体で正しく折り畳まれなかったタンパク質は出荷停止となり、不良在庫として小胞体に蓄積します。過剰な不良タンパク質は小胞体に悪影響(ストレス)を与え、様々な疾患の原因になります。
このように、出来損ないのタンパク質の蓄積によって引き起こされる現象を小胞体ストレスと言います。
断食をするとオートファジーが誘導されるので、出来損ないのタンパク質を一掃し、小胞体ストレスが改善できます。
その4 小胞体ストレスの原因
①出来損ないタンパク質の増加(活性酸素、炎症、分子シャペロンの機能低下)
②出来損ないタンパク質の処理低下(オートファジー機構の破綻)
③タンパク放出低下(小胞体の細胞膜の流動性低下)
その5 小胞体ストレスを防ぐには
- 特に、動物性タンパク質の過剰摂取を制限する
- ミトコンドリア機能を上げる(運動など)
- ヒートショックプロテイン(HSP)を刺激する(寒中水泳、熱めのお湯に入浴する)
- 寝る前にオメガ3やナイアシンを摂取する
就寝前にナイアシンを摂取する意義は、断食によって脂肪代謝が活性化されるとき、ナイアシンが生成されます。このナイアシンがミトコンドリア新生を助ける働きがあります。
ミトコンドリアの DNA は一度損傷を受けると修復が難しいので、その場合はミトコンドリアを新生することが重要です。
また、小胞体で作られたタンパク質は細胞膜から分泌されるので、オメガ3系の油を摂って細胞膜を柔らかくして分泌しやすい状態にしておくことも大切です。
STEP3 感染症の影響(慢性疲労症候群)
感染症の影響についても述べたいと思います。
「慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)」という疾患があります。これは慢性疲労とは全く異なります。慢性疲労は単に慢性の疲労ですが、慢性疲労症候群は感染症です。筋痛性脳脊髄炎(Myalgic Encephalomyelitis、ME)とも呼ばれます。
慢性疲労症候群(CFS)とは、これまで健康に生活していた人が対人的・物理的・化学的・生物学的な複合ストレスをきっかけに、ある日突然原因不明の疲労と共に微熱、全身疼痛、思考力の障害などの症状が長期間(6か月以上)に渡って継続し、健全な社会生活が送れなくなるという疾患です。
当院では慢性疲労と微熱がある人には、「きっかけ」を聞くようにしています。
この書籍には、
『病原菌が血液や肺に入った場合は毒性が強いから病気になるけど、病原菌として認められないリケッチア程度のものは細胞内に寄生する。それが大量に入るとミトコンドリアが変性する。』
と書いてあります。
ミトコンドリアの祖先はリケッチア
リケッチアは細菌より小さい微生物で、細胞外では増殖できない偏性細胞内寄生体です。
- ミトコンドリアは、約20億年前にリケッチアに類似した細菌が細胞内に寄生したものに由来すると考えられています。
- DNA解析により、ミトコンドリアとリケッチアは近縁であることが判明しました。
リケッチアの他に細胞内寄生体となる微生物は、クラミジア、マイコプラズマ、ウィルスなどがあります。
この症例では、マイコプラズマ抗体が陽性だったので、マイコプラズマ感染を伴う慢性疲労症候群として治療を行いました。感染症なので、治療は抗生物質を使いますが、それだけでは上手くいかず、治療に4年ほど要しました。
なぜ抗生物質だけでは治療が難しかったのでしょうか?
この患者さんの毛髪検査を見てください。
アマルガムが多数あったのに、水銀が少ししか出ていません。これは明らかに水銀の排泄障害です。この人は水銀が体内に溜まっていたのです。
水銀耐性と抗生剤耐性には相関があるため、水銀が蓄積している人には抗生物質は効きません。そのため抗生物質が効かない人は、まず毛髪検査で水銀量を調べてデトックス治療を行う必要があります。
毛髪検査でデトックス前(グラフ左側)のミネラルは、全体的に左寄りでバランスも悪く、水銀がミネラル輸送に障害を与えていました。デトックス後(グラフ右側)はミネラルのバランスも整ってきて、ミネラル輸送障害がなくなり、全体が動いていることがわかります。
このような状態になってから、もう少し抗生物質を使ったらほぼ完治しました。
感染症を排除することもミトコンドリア機能を上げるには非常に重要です。
STEP4 必要な治療と順番を決める
ミトコンドリアを元気にするには、治療の順番に従って治療を行うことが重要です。これは私が普段の治療に用いている治療ピラミッドです。過去の経験から、治療内容と治療の順序を大きく5つにわけました。
1番上は脳機能の治療です。神経伝達物質の調整、脳の細胞膜の抗酸化治療が含まれます。
2番目のエネルギーというのはミトコンドリア機能改善です。ミトコンドリアに鞭を打つのは、3段目の副腎ホルモンと甲状腺ホルモンなので、こちらのケアをしないとエネルギーは出てきません。
3番目はホルモンバランス調整です。同じホルモンの中でも優先順位があり、下の副腎からアプローチしていきます。
4番目は解毒(デトックス)治療で、特に肝臓をケアしていきます。
体内に重金属(特に水銀やヒ素、鉛)が蓄積していると、容易に機能低下を起こします。そのため重金属が貯まっている場合は、ミトコンドリア機能を改善するために重金属のデトックスが必要になります。
最後は、腸内環境および体内の炎症を抑える治療になります。腸内環境が悪いとミトコンドリアを動かすのに必要なミネラル類の消化吸収がうまくいきません。
ポイントは、上の段の要素は下の段の要素の影響を受けやすい事です。
原則的に、これら5つの治療は下の段から行っていきます。
ピラミッドのように下から積み上げていく感じです。下の段の治療がうまくいっていないのに上の段の治療だけをやると、崩れてしまいます。
まとめ
ミトコンドリアの質を上げる
- ビタミンB群( ミトコンドリアが働くのに必要な補酵素)
- CoQ10、NADH(電子伝達系を駆動する栄養素)
- マグネシウム(クエン酸回路や電子伝達系を動かすミネラル)
- 抗酸化対策(ミトコンドリアは活性酸素に弱いので必須)
ミトコンドリアの量を増やす
- ややきつめの有酸素運動をする(廃用性萎縮の防止)
- 寒中水泳・サウナ後の水風呂(体にエネルギーが必要と判断させる)
- ミトコンドリア新生を促す(寝る前にナイアシンを摂取する)
- 小胞体ストレスを解消する(断食)