
副腎疲労という病名は俗称で、正式にはHPA軸機能障害と言います。詳細についてはこちら
3つ以上当てはまる方は「副腎疲労」の可能性があります。
✔ うつ病や適応障害と診断されている ✔ 物忘れがひどくなった ✔ 朝、起きられない ✔ 我慢が出来なくなった ✔ 立ちくらみがする ✔ 花粉症、アレルギーがひどい ✔ 何をしても楽しくない ✔ とにかく疲れやすい ✔ 月経前症候群、生理痛がひどくなった ✔ 毎日をやっとの思いで過ごしている |
副腎疲労は主にストレスと食事バランスの不良、体内の炎症がきっかけで疲労をもたらす病態です。他に疲れやすい、立ちくらみ、何をしても楽しくないなどの症状が出ます。腹部膨満感、睡眠障害、筋肉痛、うつなどもよく見られる症状です。
副腎は両側の腎臓の上に位置する直径3cmほどのピラミッド型の臓器で、脳からの指令に応じて様々なホルモンを分泌し、生体を維持しています。長年のストレスで脳の反応が弱ってくると副腎を働かせるホルモンが出せなくなってくるために発症します。
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《副腎疲労対策》自分でできること
食事
副腎にストレスを与えない食事法、体の炎症を取る食事を摂るようにすることが副腎ケアの基本です。副腎疲労の患者さんは長年のストレスで微量栄養素、特にミネラルを消耗している傾向があります。食物繊維を多く取り、亜鉛やマグネシウムなどエネルギーを生み出すミネラルの吸収を良くする必要があります。
また、体内の炎症は副腎疲労の大敵です。腸の微細な炎症を引き起こすグルテンを一時的に止めることも効果があるでしょう。そして、副腎に負担をかける刺激物も避けるべきです。代表的なものはカフェインです。
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ストレス
健康問題だけでなく、経済的な問題や複雑な人間関係などが大きなストレスになる方が多いです。仕事のストレスを強い場合は思い切って休職するのが解決策です。全てのストレスを避けることは無理でも、ストレスを感じないようにする訓練(瞑想など)も効果があります。神経科の病院でカウンセリングを受けることも有用です。
《副腎疲労対策》病院でやるべきこと
副腎疲労の診断
うつや慢性疲労をはじめとした様々な症状を引き起こす機能性低血糖症に副腎疲労が大きく関わっています。副腎から出るコルチゾールが血糖値を保つのに大きな役割を担っているからです。
副腎疲労は、コルチゾールの分泌量が低下しているかどうかで診断します。副腎疲労の診断に最も簡単で役に立つのは、唾液中のコルチゾール濃度測定です。
1日のコルチゾールの変動パターン次第で、治療内容は異なります。病院できちんとした診断を受けてください。
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特に夕方から夜間にかけてコルチゾールの分泌が低下する時間帯に低血糖症状が強くなるのが一般的です。病院での低血糖症の治療には必ず副腎疲労を考慮すべきです。
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副腎疲労と腸内環境 重症患者はほとんど腸内環境が悪化
副腎疲労と甲状腺の関係 常に一緒に見る必要あり
起立性調節障害の背後に副腎疲労あり メラトニンとコルチゾールの関係
アトピー性皮膚炎と副腎疲労 アトピーの前に副腎ケアが必要
副腎疲労患者の体内で起きていること これを知ることが治療に役立ちます
病院での副腎疲労の治療
病院での副腎疲労の治療は食事が8割、サプリメント・ケアが2割ですが、重症度によっても異なります。
弱ってしまった副腎のケアにはビタミンB群、ビタミンC、亜鉛、マグネシウムなどのビタミン・ミネラル類以外に、滋養強壮のハーブ、インスリン抵抗性を改善するシナモンやクロムなど使われることがあります。
また、それ以外に狂ってしまったHPA軸を修正するホルモン・サプリメントも有用です。プレグネノロンやDHEAなどのホルモン・サプリメントは日本では市販されていません。病院でホルモン濃度のチェックを受けながらきめ細かいケアが必要となります。
副腎疲労のサプリメント治療 アダプトゲン、抗不安、ミトコンドリア改善サプリなど
副腎疲労の食事治療 何を食べるかよりも何を食べないかが重要
副腎疲労のストレス対策 ストレスとは何かを知ることが一番の対策
副腎疲労の様々な脱出パターン 腸内環境、デトックス、うつ・ストレスの調整がカギ
実際の例
ほとんどの副腎疲労の患者さんには生活習慣や、溜まっている毒素や隠れている感染症などの隠れた原因があります。それらを見つけ出して治療するのが病院の役割です。隠れた炎症や感染症は自覚症状がない場合も多く、病院で検査をしなければ見つかりません。根本原因を除去すれば、副腎は自然に回復していきます。
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