不妊の原因は、大きく臓器の異常と機能の異常の2つに分類されます。
臓器に異常が見られる場合
- 卵管の閉塞や損傷(クラミジア感染症、術後の癒着)、子宮の異常(内膜症、筋腫、ポリープ、癒着)など
機能に問題がある場合
- 排卵への影響(高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群)など
- ホルモンバランスの乱れ(ストレスや急激なダイエットによるアンバランス)
- 卵子の老化(加齢による影響)
当院では、機能的な問題の根本原因を探り、自然な治療での改善を目指しています。
卵子の老化対策
人の細胞には、ミトコンドリアと呼ばれるエネルギー工場が存在します。
卵子はとても多くのミトコンドリア(他の細胞の100倍以上)を含みますが、これは卵子の成熟や受精、着床、胎児の成長にたくさんのエネルギーが必要だからです。
卵子の老化とは、このミトコンドリア機能の低下に他なりません。
例えば、卵母細胞が減数分裂するのにもエネルギーが必要ですから、ミトコンドリア機能低下で染色体数異常を招く可能性もあります。
ミトコンドリア機能を上げる簡単な方法はサプリと運動ですが、妊娠を可能にするためには相当な努力が必要です。
ミトコンドリア機能の一番簡単な目安は体温です。低温期で36.5度を目指してください。低温期と高温期の差が0.7度以上開かない場合は、ぜひミトコンドリア機能低下の原因を調べてください。
ミトコンドリア機能低下の原因には、栄養不足だけでなく、農薬や重金属など毒素の影響、ウイルスやカンジダ感染などがあります。
当院では、ミトコンドリア機能低下の原因を調べて個別に治療を行なっています。
当院を受診される患者さんのミトコンドリア機能低下の原因で多いのは、カンジダ感染、アミノ酸不足、鉄欠乏、重金属の蓄積です。
ホルモンのアンバランス対策
女性ホルモンのバランスが崩れると、排卵障害や子宮内膜の準備が不十分になるなど、妊娠しづらくなる原因となります。
ホルモンバランスを整えることは大切ですが、単純にホルモンを補充するだけでは根本的な解決にはなりません。
その理由は、ホルモンのアンバランスにはさまざまな原因があるからです。
例えば、感情的なストレスやトラウマはホルモンに影響を与えます。また、普段の食事も大きく関係しており、グルテン摂取がホルモンバランスを乱すことが研究で明らかになっています。
さらに、消化管の感染や体内に蓄積した毒素も、ホルモンバランスを崩す要因になります。
睡眠不足や過度な運動もホルモンに悪影響を及ぼし、特に激しい運動を続けると月経が止まることもあります。
このような影響を考えず、単にホルモン補充を行うだけでは安定した結果は得られません。
当院では、ホルモンバランスを崩している原因を丁寧に調べ、一人ひとりに合わせた治療を行っています。