関節炎を起こしやすい様々な病態について解説します。
遅発型(IgG)食物アレルギー

慢性疾患を持っている患者さんの多くは、同時に食物アレルギーを持っています。アレルギーがあると体内でよけいな栄養素を大量に消費してしまうため、免疫系が適切に働かなくなります。だから、慢性疾患の原因を探るのに遅発型(IgG)食物アレルギー検査は不可欠なのです。
以前にも病院でアレルギー検査をされた方もいるでしょう。また、食物アレルギーの有無くらい、検査しなくても自分でわかるとおっしゃる方もいます。
しかし、この検査は「食物アレルギー検査は以前にも病院で調べたけど異常なかった」
「これらの食べ物は毎日食べても何の問題もなかった。むしろ、好物だ」という方に特にお勧め致します。
食物アレルギーは体内で様々な障害の原因となることが知られています。アレルギーのもとになる物質を抗原、それに対する免疫を抗体といいますが、食物アレルギーは食物が体に入り込んだ時に抗体が反応してアレルギー反応を誘発することをいいます。
食物のIgE反応は、原因食物を摂取後数分―数時間以内に発症する即発性超過敏反応で、喘息や、じんましん等の症状がすぐに現れます。それに対して遅発性の食物反応には、IgEでなく、IgG抗体が関係してきます。
遅発性反応の症城は原因となる食物を摂取してから数時間―数週間をかけて反応するもので、その食物を絶って以降も症状が持続します。また、症状は慢性的で再発する傾向があります。IgGはアレルゲンと直接結合することで、体内組織に沈着し、関節痛等の症状を誘発します。しかし、医師の多くはいまだに体調不良や健康の衰えを食物に結びつけることはありません。
現在、食物アレルゲンの数は増え続けています。また、いずれの食物アレルギーの症状も非常に多様です。症状は個人差が大きく、同じ食物アレルギーでも現れる症状が大きく異なることがあります。
関節炎、寝汗、膀胱炎、気管支炎、口内炎、セリアック病、慢性の背部痛、うつ、浮腫、湿疹、倦怠感、腹部ボウマン、頭痛、じんま疹、多動症、低血糖、過敏性腸炎、かゆみ、学習障害、吸収不良症、人格変化、たんぱく尿、くりかえす感染症、副鼻腔炎、潰瘍性大腸炎、潰瘍
(Nutirion&healing, J.V.Wright, Hidden Food Sensitivities, August, 1999)
このように、あらゆる症状が食物アレルギーと関係しています。しかし、これらのリストはあくまでも情報の一部にすぎません。他にも多くの症状が食物アレルギーと関連している可能性があります。
当院で行う食物アレルギー検査は、96種類の一般的な食物やスパイスを含む項目を含んでいます。検査結果が出たら、これから望ましい食事内容についてお話しいたします。
どのようなタイプの食物アレルギーであっても、一定期間その食物を摂取しないということがベストな治療法です。
実際には、現在の症状、今おかれている環境や生活の質、合併症の強度などにより、食事をどれほど制限するかを話し合います。消化機能と免疫機能の改善は、自然的な根本治療をするのに最低限必要なことです。
重金属の蓄積
現代社会では完全に環境毒物を避けて生活する事は困難です。これら毒物のせいで、私たちの免疫、内分泌系は傷害され、ダメージが蓄積しています。
人間はもともと、体内に入ってしまった重金属などの毒素を、体外に排出させる「解毒能力」を持っています。しかし、現代の慢性的な運動不足や、ファーストフードなど、外食中心の食生活が増えると、基礎代謝能力が弱まり、それとともに解毒作用も徐々に衰えている様です。
体内に蓄積されている重金属の種類によって、それぞれ以下のような症状が現れることがわかっています。
●鉛
不眠、頭痛、疲労、ストレス
●水銀
不眠、頭痛、倦怠感、神経毒、脂肪燃焼に必要な酵素を阻害する
●カドミウム
関節炎、肝臓や腎臓障害
●ひ素
疲労感が続く

栄養欠損
傷ついた組織は栄養素によって回復します。だから、どのような栄養素が足りないのかを調べてそれを補給する事が必要なのです。私たちは関節炎を起こす根本原因を徹底的に調べ、それに対して根本治療を行っています。