アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎は、免疫異常を伴う慢性の皮膚の炎症です。
異常を伴い、多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生じる、
慢性に経過する炎症と掻痒をその病態とする湿疹・皮膚炎群の一疾患。
患者の多くはアトピー素因を持つ。日本皮膚科学会ガイドラインより
この疾患を根本的に治すためには、「免疫を正常化させつつ、皮膚の炎症を抑えること」が必要です。
ステロイドの問題点
アレルギー疾患の基本治療方針は、「免疫を抑制せずに炎症を抑える事」です。
残念ながらステロイドには、強い抗炎症作用とともに免疫抑制作用があります。
以下に、ステロイドの様々な問題点をあげます。
皮膚バリア機能の低下
アトピー性皮膚炎でステロイド外用剤を使用すれば炎症はおさまるが、同時に皮膚バリア機能をさらに損ない、さらなる疾患の悪化のリスクを増加させます。
しかし、長期間、とくに感受性の強い部位に外用すると、角層を破壊し、表皮の萎縮
をきたす。
ステロイド外用剤の長期連用は敏感な部位での皮膚バリア破壊を介して、外的刺激や
アレルゲンの侵入を引き起こす。
このことは「ステロイド依存」と呼ばれるステロイド外用後のリバウンド現象の説明
になる。
J ALLERGY CLIN IMMUNOL Volume 118, Issue 1, Pages 3 (July 2006)
ステロイド離脱症候群
ステロイドは長期間使用すると副腎機能が低下します。
一般的にステロイド外用剤は、副腎疲弊を起こしにくいと言われることもありますが、上記のように外用剤でも長期使用にて出現します。
ステロイドを長期に使用している方には、副腎疲労の治療を合わせて行う必要があります。
ステロイドは効かなくなってくる
当院のアトピー治療方針
脱ステロイドできる体づくり
ステロイドは極めて効果の高い抗炎症剤なので、使うべき時にはうまく使うが、最終的には離脱しなくてはなりません。
免疫の正常化
皮膚から異物を排泄することは、正常な免疫反応です。
食事が大切です
フィッシュオイルは魚からとれる良質の不飽和脂肪酸です。
細胞膜に取り込まれ、抗動脈硬化作用や、抗炎症作用をもつ優れた栄養素として認知されています。
フィッシュオイルの治療は、効果的がある人とない人に分かれますが、効果がない人に共通することは「食事が悪い事」です。
フィッシュオイルは細胞膜の脂肪の割合を変えることで、作用を発揮します。
ですから、いくらフィッシュオイルに含まれるEPA,DHAを多くとったとしても、炎症を引き起こすアラキドン酸を含む肉の脂を多く摂っていると効果は出ません。
食事を変えて、油を変える事がアトピーに好影響です。