血液検査
一般的な血液検査では見逃されがちな、慢性疲労、うつ症状、不眠、頭痛などの不定愁訴の背景には、微細な栄養不足や体内のダメージが隠れている可能性があります。当院では、分子栄養学の観点から血液検査を詳細に解析し、根本原因にアプローチした治療を行っています。
分子栄養学的血液検査とは?
当院で行う血液検査は、一般的な健康診断とは大きく異なります。病気の診断だけでなく、「なぜその症状が起こるのか」という根本原因を探ることに重点を置いています。
一般的な血液検査との違い
一般的な血液検査:
- 病気の有無を判定することが主目的
- 基準値内であれば「正常」と判断
- 症状があっても「異常なし」とされることが多い
分子栄養学的血液検査:
- 細胞レベルでの栄養状態を評価
- 基準値内でも最適値からの乖離を重視
- 症状の根本原因となる栄養不足やダメージを特定
- 将来の病気を予防するための早期発見
検査項目の分子栄養学的解釈
肝機能マーカー(AST、ALT): 一般的には肝炎の指標ですが、分子栄養学ではビタミンB6不足の指標として活用します。AST≫ALTのパターンは、セロトニン、ドーパミン、GABAの生成不足を示唆します。
コレステロール(LDL、HDL): 動脈硬化の指標ではなく、栄養状態と肝機能の重要なマーカーです。LDLが低い場合は、エネルギー不足、ビタミンADEK不足、CoQ10不足、ストレス耐性の低下を示します。
中性脂肪: 低値の場合は副腎疲労、血糖調節障害、エネルギー代謝の問題を示唆します。
フェリチン: 貯蔵鉄の指標ですが、同時に炎症マーカーでもあります。100を超える場合は慢性炎症の存在を疑います。
血液検査で分かる症状・体調不良

栄養不足による症状
ビタミンB6不足(AST≫ALT): うつ症状、不安感、不眠、PMS、エストロゲン代謝不良、低血糖症状などが現れます。神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、GABA)の生成に必要なため、精神的な症状が強く出る傾向があります。
鉄不足(フェリチン低値、MCV低値): 慢性疲労、息切れ、立ちくらみ、集中力低下、うつ症状、情緒不安定などが現れます。特に女性に多く、潜在性鉄欠乏性貧血(フェリチン20以下)では、ヘモグロビンが正常でも症状が出現します。
タンパク質不足(総蛋白<7.0、アルブミン低値): 筋肉量の減少、免疫力低下、傷の治りが悪い、髪や爪の異常、むくみなどが現れます。
亜鉛・マグネシウム不足(ALP低値): 免疫力低下、皮膚トラブル、味覚異常、筋肉の痙攣、不安感、不眠などが現れます。
体内ダメージによる症状
活性酸素負荷(間接ビリルビン≥0.6): 慢性疲労、老化の促進、免疫力低下、炎症の慢性化などが起こります。赤血球の破壊(溶血)が進んでいる状態です。
炎症(CRP、血小板、フェリチン、γグロブリン上昇): 慢性疲労、関節痛、頭痛、アレルギー症状の悪化、自己免疫疾患のリスク上昇などが現れます。
インスリン抵抗性(HOMA-R≥2.0): 血糖値の不安定、疲労感、集中力低下、体重増加、糖尿病のリスク上昇などが起こります。
タンパク質異化亢進(アルブミン低値、AST≫ALT): 筋肉量の減少、免疫力低下、腸管バリア機能の低下、副腎疲労の悪化などが進行します。
ミトコンドリア機能低下(LDH低値): 慢性疲労、運動耐性の低下、回復力の低下、体温低下などが現れます。LDHの補酵素はビタミンB3(ナイアシン)のため、不足により機能が低下します。
当院のアプローチ
詳細な血液検査項目
当院では、一般的な健康診断の項目に加えて、以下の栄養療法に特化した項目を測定します:
基本項目(60項目以上): 白血球分画、赤血球系、肝機能、腎機能、脂質、糖代謝、電解質、ミネラル、炎症マーカー、甲状腺機能、ビタミンD、フェリチン、ペプシノーゲンなど
特殊項目(必要に応じて): インスリン、HOMA-R、ホモシステイン、有機酸、アミノ酸、脂肪酸分析など
分子栄養学的解釈による評価
栄養状態の詳細評価: 各栄養素の不足レベルを段階的に評価し、優先順位を決めて補充計画を立てます。単独の栄養素だけでなく、栄養素間の相互作用も考慮します。
体内ダメージの定量化: 炎症、活性酸素負荷、インスリン抵抗性、タンパク質異化の程度を数値化し、改善の必要性と緊急度を判断します。
根本原因の推定: 血液検査パターンから、副腎疲労、腸内環境悪化、肝機能低下などの根本原因を推定し、追加検査の必要性を判断します。
定期的なモニタリング
治療効果の客観的評価: 3〜6ヶ月ごとに血液検査を実施し、栄養状態の改善と体内ダメージの修復を客観的に評価します。
治療計画の調整: 検査結果と症状の変化に基づいて、サプリメントの種類や用量を調整し、治療計画を最適化します。
予防医学的フォロー: 症状が改善した後も定期的にチェックし、栄養状態を維持して将来的な病気を予防します。
他の検査との連携
血液検査の結果を以下の検査と組み合わせて、より包括的な評価を行います:
- 唾液コルチゾール検査:副腎機能の詳細評価
- 有機酸検査:ミトコンドリア機能、神経伝達物質代謝の評価
- 毛髪ミネラル検査:重金属蓄積、ミネラルバランスの評価
- GIマップ検査:腸内環境、感染症の評価
- 遺伝子検査:体質に応じた個別化治療の指針
まとめ
血液検査は、慢性的な体調不良の根本原因を探る上で最も基本的で重要な検査です。分子栄養学の観点から血液検査を詳細に解析することで、一般的な健康診断では見逃されがちな栄養不足や体内ダメージを早期に発見し、適切な治療につなげることができます。
当院では、20年以上の栄養療法の経験を基に、血液検査の結果を正確に解釈し、個々の患者さんの状態に応じた最適な治療計画を立案しています。「健康診断では異常なしと言われたが症状がある」「原因不明の体調不良が続いている」という方は、ぜひ一度分子栄養学的な血液検査をご検討ください。
➤検査・カウンセリングは完全予約制で承っております。
お気軽にLINEやWebからご相談ください。
\無料カウンセリングはこちら/
ご予約・お問い合わせ
受診に迷われている方へ
当院を受診されるかどうか迷われている方、当院での受診が適切かどうか判断がつかない方のために、ご相談を受け付けています。
クリニック公式LINE
無料セミナーやお得なキャンペーン情報が知りたい方はこちら