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慢性疲労症候群の症状・原因・治し方

内科

慢性疲労症候群(ME/CFS)は、単なる疲れとは異なり、休息しても回復しない深刻な疾患です。極度の疲労感、集中力の低下、睡眠障害、筋肉痛など多様な症状があり、日常生活に大きな支障をきたします。

本記事では、慢性疲労症候群の定義や症状チェックリスト、ウイルス感染や免疫異常などの原因とメカニズムを解説します。さらに、診断基準や検査方法、栄養療法を中心とした治し方、効果的な栄養素とサプリメント、漢方薬や運動療法などの回復方法、そして予防のための日常生活での対策まで、包括的にお伝えします。


慢性疲労症候群(ME/CFS)とは?普通の疲れとの違い

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の定義

慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome:CFS)は、筋痛性脳脊髄炎(Myalgic Encephalomyelitis:ME)とも呼ばれ、原因不明の強い疲労が長期間続く病気です。

世界保健機関(WHO)の国際疾病分類でも神経系疾患として認められており、単に疲れやすいだけではなく、日常生活に深刻な影響を及ぼす疾患として位置づけられています。

活動後しばらくしてから起こる回復しにくい疲労

わずかな活動で症状が悪化し数日間寝込む労作後倦怠感が特徴です。限られたエネルギーを使い果たし、副腎疲労による低血糖やアドレナリン過剰が重なり、体は自分のタンパク質まで分解してエネルギーを作ろうとします。

普通の疲れは休息で回復しますが、慢性疲労症候群の疲労は休んでも改善しません。これは体が「冬眠状態」に入ったまま戻れなくなっているためです。

通常の疲労はミトコンドリアの一時的な疲弊ですが、慢性疲労症候群ではミトコンドリア自体が退縮(数が減少し機能が停止)しています。体のエネルギーの95%以上を作る発電所が機能していないため、どれだけ休んでもエネルギーが回復しません。

診断

「労作後倦怠感」「休息感の得られない睡眠」「思考力・集中力低下」「起立性不耐症」などを伴い、安静にしても回復しない6か月以上続く強い疲労が診断条件となります。

原因

慢性的なだるさの背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。ウイルス感染をきっかけに発症するケースが多く、特にエプスタイン・バーウイルスやヘルペスウイルスなどとの関連が指摘されています。また、免疫システムの異常、副腎疲労による内分泌系の乱れ、脳や神経機能の障害、さらには遺伝的素因や生活環境のストレスなども関与していると考えられています。単一の原因ではなく、多因子が関わる複雑な病態です。


慢性疲労症候群の症状

労作後倦怠感

慢性疲労症候群の最も特徴的な症状です。軽い運動や家事、精神的な作業の後すぐではなく、24時間から数日遅れて症状が出ます。健康な人なら問題ない程度の活動でも、その後何日も寝込んでしまうことがあります。

集中力・認知機能の低下

多くの患者さんが「ブレインフォグ(脳の霧)」と呼ばれる認知機能の低下を経験します。記憶力や集中力が著しく低下し、言葉が出てこないと、会話についていけない、本が読めない、簡単な計算ができないなど、日常生活や仕事に深刻な影響を及ぼします。

睡眠障害と起床時の疲労感

睡眠リズムの乱れなどで睡眠が浅くなるため、十分な睡眠時間をとっても、朝に疲れを感じます。

筋肉痛・関節痛・頭痛

筋肉痛や関節痛は運動をしていなくても起こり、全身を移動するような痛みが特徴です。また、片頭痛や緊張型頭痛頭痛も頻繁に見られます。これらの痛みは従来の鎮痛薬では十分に改善しないことが多く、患者さんの生活の質を大きく低下させる要因となっています。

首のリンパ節の腫れや微熱

首や脇のリンパ節が腫れて痛みを感じることがあります。また、37度台の微熱が続いたり、平熱よりも体温が高い状態が持続したりすることもあります。風邪のような症状が慢性的に続く感覚があり、インフルエンザにかかったような倦怠感が何ヶ月も継続します。

慢性疲労症候群の原因とメカニズム

ウイルス感染とコロナ後遺症との関連

慢性疲労症候群の発症には、ウイルス感染が深く関わっていると考えられています。エプスタイン・バーウイルス、ヘルペスウイルス、エンテロウイルスなどの感染後に発症するケースが多く報告されています。近年では、新型コロナウイルス感染症の後遺症として、慢性疲労症候群と類似した症状が長期間続く「ロングCOVID」が注目されています。ウイルスが免疫系や神経系に長期的な影響を与え、症状を引き起こすメカニズムが研究されています。

近年注目されているのが、セルデンジャーレスポンス仮説(CDR仮説)です。簡単に言えば体の冬眠スイッチが入ったまま戻らなくなる現象です。

ウイルス感染などの危機が訪れると、体は自分を守るために「緊急省エネモード」に入ります。これは、クマが冬眠して最小限のエネルギーで過ごすのと似ています。この時、細胞の発電所であるミトコンドリアは一時的に活動を休止します。

本来なら、ウイルスが去れば自動的に「通常モード」に戻り、ミトコンドリアも元気に働き始めるはずです。問題は、この「冬眠スイッチ」が切れなくなってしまうことです。

感染は治ったのに、体は「まだ危険だ」と勘違いしたまま省エネモードを続けてしまいます。ミトコンドリアが十分に再生せず、エネルギーが作れない状態が続くため、検査では異常がないのに、強い疲労が続くのです。新型コロナの後遺症(ロングCOVID)も、このメカニズムで説明できます。ウイルスは消えたのに、体が「通常運転」に戻れなくなっている状態です。

治療の鍵は、この「冬眠スイッチ」を解除し、ミトコンドリアを再生させることにあります。

免疫システムの異常と炎症

慢性疲労症候群の患者さんでは、免疫系の調節異常が認められます。サイトカインと呼ばれる免疫物質のバランスが崩れ、慢性的な炎症状態が続いています。特に炎症性サイトカインが過剰に産生され、疲労感や痛み、認知機能の低下を引き起こします。また、免疫細胞の機能異常により、ウイルスや細菌に対する防御力が低下する一方で、自己免疫的な反応が起こることもあります。この免疫系の混乱が症状を長引かせる要因となっています。

さらに、腸内細菌のバランスの崩れも重要な要因です。善玉菌が減って悪玉菌が増えると、腸で慢性的な炎症が起こります。善玉菌は「短鎖脂肪酸」という腸のエネルギー源を作っていますが、これが不足すると腸の壁が弱くなり、穴が開いた状態(リーキーガット)になります。すると、本来入ってはいけない毒素や未消化の食べ物が血液に入り込み、全身に炎症が広がるという悪循環に陥ります。

炎症は脳にも影響します。炎症があると、幸せホルモンである「セロトニン」の材料が別の経路に使われてしまい、セロトニンが作れなくなります。これが抑うつや睡眠障害の原因です。

副腎疲労と内分泌系の異常

長期的なストレスにより、脳が疲弊してホルモンバランスが崩れる状態です。これを「HPA軸機能障害」と呼びます。副腎そのものが疲れるのではなく、脳からの指令がうまく出なくなり、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌がおかしくなります。

特に問題なのが血糖値の乱れです。コルチゾールが足りないと血糖値が保てず、低血糖になります。すると体は緊急手段として「アドレナリン」を大量に出し、常に緊張状態に。これが動悸、発汗、イライラ、パニック症状を引き起こします。

さらに、低血糖を補うために体は自分の筋肉や腸の壁を分解してエネルギーを作ります。腸の壁が薄くなると、先ほどの「リーキーガット」が悪化し、悪循環に陥ります。

また、コルチゾールと女性ホルモンは同じ材料から作られるため、コルチゾール優先で女性ホルモンが減り、PMSや不妊の原因にもなります。

甲状腺機能も低下し、体温・代謝が落ちて、さらに疲労が悪化します。

脳・神経機能の障害

近年の研究により、慢性疲労症候群では脳の機能異常が起きていることが明らかになってきました。脳血流の低下、特に前頭葉や側頭葉での血流減少が認められ、これが認知機能障害と関連しています。

また、自律神経系の調節異常により、起立性調節障害や心拍数の異常な上昇が起こります。さらに、痛みを感じる神経回路の感受性が高まり、通常では痛みを感じない刺激にも過敏に反応する状態になっています。

遺伝的要因と生活環境ストレス

慢性疲労症候群には遺伝的な素因も関与していると考えられています。家族内での発症が見られることや、特定の遺伝子多型が関連している可能性が研究されています。また、発症前の生活環境も重要な要因です。過度な仕事のストレス、睡眠不足、不規則な生活、栄養の偏りなどが重なることで、体の回復力が低下し、ウイルス感染などをきっかけに発症しやすくなります。遺伝と環境の相互作用が病態を形成しています。


慢性疲労症候群の診断基準と検査方法

何科を受診すべきか?専門医の選び方

慢性疲労症候群の診断には、内科、神経内科、心療内科などが対応しますが、専門的に診療している医療機関は限られています。まずは総合内科や一般内科を受診し、他の病気を除外することから始めます。可能であれば、慢性疲労症候群や栄養療法に詳しい医師を探すことをお勧めします。インターネットで「慢性疲労症候群 専門医」などと検索したり、患者会の情報を参考にしたりすると良いでしょう。

診断に必要な症状と期間

慢性疲労症候群の診断には、国際的な診断基準が用いられます。主要症状として、6ヶ月以上続く原因不明の強い疲労があり、日常生活能力が発症前の50%以下に低下していることが必要です。さらに、労作後の極度の疲労感、睡眠障害、認知機能障害、起立不耐症などの付随症状のうち、複数が認められることが条件となります。これらの症状が他の病気では説明できない場合に、慢性疲労症候群と診断されます。

血液検査で分かる数値と指標

慢性疲労症候群の確定診断となる特異的な検査はありませんが、血液検査で様々な異常を見つけることができます。栄養療法の観点からは、鉄・フェリチン、ビタミンB群、ビタミンD、亜鉛、マグネシウムなどの栄養素の欠乏を確認します。また、甲状腺機能、副腎機能の指標となるコルチゾール、炎症マーカー、免疫機能の指標なども測定します。これらの検査結果から、症状の背景にある代謝異常や栄養不足を把握し、治療方針を立てます。

他の疾患(線維筋痛症・うつ病)との鑑別

慢性疲労症候群と似た症状を示す病気があるため、慎重な鑑別が必要です。線維筋痛症は全身の痛みが主症状ですが、疲労感も強く、両方の診断基準を満たすケースもあります。うつ病も疲労感や意欲低下を伴いますが、慢性疲労症候群では労作後の症状悪化が特徴的です。また、甲状腺機能低下症、貧血、睡眠時無呼吸症候群、自己免疫疾患なども除外する必要があります。総合的な評価が重要です。

病院での診察の流れと注意点

初診では、詳しい問診票への記入から始まります。症状の経過、発症のきっかけ、日常生活の支障の程度などを具体的に記録しましょう。診察では、労作後の症状悪化の有無や睡眠の質、認知機能の状態などを詳しく聞かれます。血液検査や必要に応じて画像検査が行われます。診断には時間がかかることがあるため、症状日記をつけておくと診断の助けになります。複数回の受診が必要になることも理解しておきましょう。


栄養療法による慢性疲労症候群の治し方

栄養療法(分子栄養学)は、最適な栄養素の摂取によって体の機能を正常化し、病気を根本から改善する治療法です。従来の対症療法が症状を抑えることに主眼を置くのに対し、栄養療法は細胞レベルでの代謝異常を改善し、体が本来持っている回復力を引き出します

分子栄養学に基づく根本的アプローチ

栄養療法では、検査によって現状を正確に把握し、個別化された治療計画を立てます。

ステップ1(最初の1〜3ヶ月): 血糖値の安定化が最優先です。副腎ホルモンと血糖値の不安定さをまず改善します。サプリメントを活用して、エネルギーを作れる体を目指します。

ステップ2(3〜6ヶ月): 副腎の回復と腸の炎症・消化不良の改善に重点を置きます。適切な準備が整ってから次へ進みます。

ステップ3(6ヶ月以降): 有機酸検査でミトコンドリア機能のボトルネックを特定し、ピンポイントで対処します。

ステップ4: 感染症の治療や重金属のデトックスなど、根本原因の解決に取り組みます。準備なしに行うと副作用が出やすいため注意が必要です

最終的にはサプリメントを減らし、生活習慣の改善で健康を維持することを目指します。

ミトコンドリア機能を高める栄養素

ミトコンドリアは細胞内の発電所で、体のエネルギーの95%以上を作っています。慢性疲労症候群では、このミトコンドリアの機能が低下しているか、数が減っている状態が続いています。

基本的なサポート栄養素ミトコンドリアを元気にするには、まずビタミンB群が欠かせません。B群はエネルギー代謝全体に関わる重要なビタミンで、B1は糖質をエネルギーに変える働きがあり、B2は脂質の代謝を担い、カンジダ除菌後は特に重要になります。B6はアミノ酸代謝や神経伝達物質の合成に関わり、B5は副腎のサポートをしてくれます。

次に重要なのがミネラルです。マグネシウムは体内の600種類以上の酵素に必要で、リラックス効果もあります。鉄は酸素運搬とエネルギー代謝に必須ですが、炎症がある場合は吸収されにくいので注意が必要です。亜鉛は300種類以上の酵素に必要で、免疫機能にも重要な役割を果たします。

その他の重要な栄養素として、CoQ10(還元型がベスト)は電子伝達系に必須で、L-カルニチンは脂肪をミトコンドリアに運ぶ役割があります。α-リポ酸は抗酸化とエネルギー代謝の両方をサポートし、ビタミンCは抗酸化作用に加えて副腎のサポートもしてくれます。MCTオイルは素早くエネルギーになる優れた脂質です。

腸内環境と免疫機能の改善

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、免疫系の70%が集中している重要な器官です。慢性疲労症候群の患者さんの多くで、腸内環境の乱れ(ディスバイオシス)や腸管透過性の亢進(リーキーガット)が見られます。プロバイオティクス、プレバイオティクス、食物繊維、グルタミン、亜鉛などによって腸内環境を整えることで、免疫機能が正常化し、炎症が軽減されます。腸の健康は全身の健康と密接に関連しています。

おおよその回復期間

栄養療法による改善には個人差がありますが、多くの患者さんで段階的な回復が見られます。軽症例では3〜6ヶ月で日常生活がかなり改善し、中等症では6ヶ月〜1年、重症例では1〜2年以上かかることもあります。重要なのは、焦らず継続することと、症状の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で取り組むことです


その他の治療法と回復方法の選択肢

漢方薬による体質改善

漢方医学では、慢性疲労症候群を「気虚」「血虚」「腎虚」などの体質と捉え、個々の状態に合わせた処方を行います。補中益気湯は気力を高め、十全大補湯は気血を補い、八味地黄丸は腎機能をサポートします。漢方薬は西洋医学とは異なるアプローチで体のバランスを整え、体質改善を図ります。栄養療法との併用も可能で、相互に補完し合う効果が期待できます。効果が現れるまで数ヶ月かかることもありますが、副作用が少ない点が利点です。

薬物療法(抗うつ薬・睡眠薬など)

症状が強い場合、対症療法として薬物療法が用いられることがあります。睡眠障害には睡眠導入剤や睡眠の質を改善する薬、痛みには鎮痛薬や神経障害性疼痛治療薬、認知機能障害や気分の落ち込みには少量の抗うつ薬が処方されることがあります。ただし、これらは症状を和らげるものであり、根本的な治療ではありません。また、薬剤に対する過敏性がある患者さんもいるため、少量から慎重に開始する必要があります。

段階的な運動療法の注意点

運動療法は慎重に行う必要があります。一般的な運動プログラムは、慢性疲労症候群では症状を悪化させる危険があります。重要なのは、労作後の症状悪化(PEM)を起こさない範囲で、非常に軽い活動から始めることです。まずは日常生活動作の中で無理のない動きを見つけ、症状が安定してから、ごく軽いストレッチや短時間の散歩などを少しずつ取り入れます。症状が悪化したら必ず休息をとり、決して無理をしないことが原則です。

認知行動療法とストレス管理

認知行動療法(CBT)は、疲労や症状に対する捉え方や行動パターンを見直し、症状とうまく付き合う方法を学ぶアプローチです。完璧主義や過度の責任感を和らげ、現実的なペース配分や優先順位のつけ方を習得します。また、ストレス管理技法として、瞑想、マインドフルネス、呼吸法、リラクセーション法なども有効です。これらは症状そのものを治すわけではありませんが、症状の悪化を防ぎ、心理的な負担を軽減する効果があります。

統合的アプローチで回復させるには

慢性疲労症候群の改善には、単一の治療法ではなく、複数のアプローチを組み合わせた統合的な治療が最も効果的です。栄養療法を基盤としながら、必要に応じて漢方薬や薬物療法、ストレス管理、適切な休息と活動のバランス調整を組み合わせます。また、家族や周囲の理解とサポートも回復には不可欠です。定期的に医師と相談しながら、自分に合った治療の組み合わせを見つけ、長期的な視点で取り組むことが成功の鍵となります。


慢性疲労症候群の予防と日常生活での対策

疲労感が続く原因を取り除く生活習慣

慢性的な疲労を防ぐには、日々の生活習慣が重要です。仕事を抱え込みすぎず、適度に休息をとりましょう。「完璧にやらなければ」という気持ちが強い方は、ときには「できない」と断る勇気も必要です。また、風邪などの感染症が長引くと疲労が蓄積しやすいため、免疫力を保つために睡眠・食事・運動のバランスを整えることが大切です。

質の高い睡眠を確保する方法

睡眠は体の回復に最も重要です。まず、毎日同じ時間に寝起きして体内リズムを整えましょう。できれば夜10時までに就寝すると、成長ホルモンが出やすくなります。寝室は暗く、涼しく、静かな環境を保つことが理想的です。

寝る前のスマホやパソコンは避けましょう。ブルーライトが睡眠ホルモンのメラトニンを減らしてしまいます。また、就寝3時間以内の食事や、カフェイン・アルコールの摂りすぎも睡眠の質を下げる原因になります。

睡眠の質を高めるには、寝る前の軽いストレッチや入浴、リラックスできる音楽が効果的です。マグネシウム(リラックス効果)やグリシン(睡眠の質向上)などのサプリメントも役立ちます。睡眠不足が続いている場合は、無理せず睡眠時間を確保することが何より優先です。

無理のない範囲での活動調整

エネルギーの使い方を賢く管理する「ペーシング」が重要です。良い日に頑張りすぎると、後日症状が悪化します。毎日の活動量を一定に保ち、疲労の波を作らないようにします。優先順位をつけて本当に必要なことだけを行い、完璧を目指さず「ほどほど」を意識します。こまめに休憩を挟み、一つの活動を長時間続けないようにします。自分の「エネルギーの予算」を把握し、使い過ぎない生活を心がけましょう。

栄養バランスの整った食事のポイント

食事は薬と同じくらい重要です。タンパク質、良質な脂質、複合炭水化物をバランスよく摂り、血糖値を安定させます。加工食品や砂糖、トランス脂肪酸は炎症を促進するため避けましょう。野菜や果物から抗酸化物質とビタミン・ミネラルを十分に摂取します。発酵食品で腸内環境を整え、オメガ3脂肪酸が豊富な魚を週に数回食べることを推奨します。また、食事だけでは不足する栄養素は、サプリメントで補うことも検討しましょう。

ストレスマネジメントとセルフケア

慢性的なストレスは症状を悪化させるため、日常的なストレス管理が必要です。深呼吸や瞑想などのリラクセーション技法を取り入れ、自律神経のバランスを整えます。趣味や楽しみの時間を意識的に作り、心の余裕を保ちます。完璧を求めず、自分に優しくすることも大切です。また、信頼できる人に悩みを話したり、同じ病気を持つ人との交流も心の支えになります。自分自身を大切にするセルフケアの習慣が、長期的な健康維持につながります。


まとめ

慢性疲労症候群は、単なる疲れとは異なる深刻な疾患ですが、適切な治療により改善が可能です。特に栄養療法は、細胞レベルでエネルギー産生能力を高め、免疫機能を正常化させる根本的なアプローチとして有効です。

回復には時間がかかりますが、焦らず継続することが重要です。栄養療法に加えて、漢方薬や適切な休息、ストレス管理、生活習慣の改善などを組み合わせた統合的なアプローチが、最も効果的な結果をもたらします。もし慢性的な疲労にお悩みでしたら、専門医に相談し、自分に合った治療法を見つけてください。


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