膣カンジダを繰り返す理由は腸にある|腸カンジダと免疫の関係

「膣カンジダを治療しても、しばらくするとまた再発してしまう…」
そんな悩みを抱えている女性は少なくありません。膣カンジダは抗真菌薬で一時的に症状を抑えることができますが、根本原因にアプローチしないと再発を繰り返してしまうことがあります。
その背景にあるのが 腸カンジダ です。
膣カンジダと腸カンジダの関係
カンジダ菌は口腔から肛門まで消化管全体に広がる常在菌で、腸は特に「カンジダが住みやすい環境」です。
糖質(砂糖)が豊富で、湿気があり、さらに抗生物質の使用などで腸内の善玉菌が減ると、空いたスペースにカンジダが過剰増殖してしまいます。
実際、2004年にドイツで行われた調査では、約70%の人が腸カンジダを持っていたと報告されています。
つまり膣だけの問題ではなく、腸を中心に全身に広がる感染症なのです。
さらに中国の研究(2011年)では、膣カンジダ患者148名を対象に消化管との関係を調べたところ、
- 腸カンジダを合併している場合 → 再発率は50%
- 合併していない場合 → 再発率は21%
と、腸カンジダがある人は再発率が2倍以上であることが明らかになっています。
また、1977年に発表されたJAMA誌の報告では、再発を繰り返す女性98名の膣分泌物と便を同時に培養したところ、膣にカンジダがいる人は全員、腸にもカンジダが存在していたという結果が示されています。
逆に腸にカンジダがいない人には、膣にも存在していませんでした。
→ これらの研究が示しているのは、「膣カンジダを本当に治すには、腸カンジダへのアプローチが欠かせない」ということです。
腸カンジダの症状と見分け方
腸カンジダが過剰増殖している場合、膣カンジダの再発だけでなく、全身にさまざまな症状が現れることがあります。
- 慢性的な疲労感
- 集中力の低下(頭がぼーっとする、仕事に集中できない)
- 食後の強い眠気
- 甘いものへの強い欲求
これらのサインがあり、かつ膣カンジダを繰り返している場合は、腸カンジダを疑う必要があります。
膣錠など局所治療だけでは改善せず、腸環境を整える乳酸菌やハーブサプリメントなどの併用が効果的なこともあります。
Q&A:カンジダは性行為でうつるの?
Q. カンジダは性的接触でうつるのですか?
A. はい、可能です。
ただしカンジダは常在菌であり、そもそも腸を中心に体内に存在しています。
そのため「パートナーからうつされた」というよりも、自分の腸内や免疫状態が整っていないことが再発の大きな要因です。
- 性器性交だけでなく、キスやアナルセックスでも感染する可能性がある
- メイヨークリニックの報告では「性器カンジダ症は性感染症ではなく、口腔と性器の接触により広がる」とされています
女性が男性より感染しやすいのは、膣が湿潤環境でカンジダに好まれやすく、さらに解剖学的に肛門が近いことも要因です。
→ 「うつる・うつらない」というよりも、自分の免疫状態をどう保つか が重要です。
免疫低下を招く要因
カンジダが過剰に増える背景には、免疫の低下があります。
- 抗生物質、ステロイド、ピルの使用
- 副腎疲労
- 糖尿病や自己免疫疾患
- 糖質の摂りすぎ、運動不足
これらの要因が重なると、腸カンジダが勢いを増し、膣カンジダの再発を繰り返すことにつながります。
→膣カンジダは「パートナーのせい」ではなく、「自分の体の免疫状態を映すサイン」だと捉えることが大切です。

まとめ|腸に目を向けて再発を防ぐ
- 繰り返す膣カンジダの背景には「腸カンジダ」が潜んでいる
- 研究でも腸カンジダを合併している人は再発率が2倍以上
- 疲労感・眠気・甘い物への渇望など腸カンジダの症状にも注目を
- 感染経路よりも免疫状態を整えることが重要
膣カンジダを繰り返すのは「体質だから」と諦めていませんか?
実はその背景には、腸内環境や免疫力の低下が関わっていることが多いのです。
京橋ウェルネスクリニックでは、腸内カンジダの検査や食事・サプリメント指導を含めた、根本からの再発予防プログラムをご提案しています。
「薬で治してもまた再発する…」と悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたに合った治療法を一緒に見つけていきましょう。