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コラム

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なぜカンジダはこんなに手ごわいのか?|腸カンジダがしぶとい理由と対策

「膣カンジダや腸カンジダを治療しても、またすぐ再発してしまう…」
「サプリを飲んだら逆に体調が悪くなった」

そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
カンジダは一度増えると簡単には退治できず、「なぜこんなに手ごわいの?」と思わせる特徴をいくつも持っています。

ここでは、カンジダがしぶとく生き残る理由を整理してご紹介します。


1. 感染症らしく見えない「隠れた症状」

カンジダ症と聞くと、水虫や膣カンジダのように“局所の感染症”をイメージしがちですが、実は全身に影響を及ぼします。

典型的な腸カンジダの症状は次の通りです。

  • 疲れやすい
  • 甘いものが欲しくなる
  • 化学物質に敏感(タバコの煙・香水など)
  • 集中力の低下や記憶障害
  • 腹部の張りや膨満感

一見「感染症」とは思えない症状ばかりのため、診断がつきにくく、見逃されやすいのが特徴です。



2. 検査で見つけにくい

膣カンジダには検査キットがありますが、腸カンジダや全身性カンジダは精度の高い検査が少ないのが現状です。

医学誌でも「感度・特異性を兼ね備えた検査はまだ存在しない」と指摘されています。
比較的信頼できるのは、

  • 尿中アラビノース測定(カンジダの代謝産物を調べる)
  • 血中IgG抗体検査

当院ではこれらを組み合わせ、可能な限り精度の高い診断を行っています。


3. 環境の変化で一気に増殖する

カンジダの最大の武器は「変形能力」です。
普段は大人しい“酵母型”ですが、条件が揃うと“菌糸型”に変化し、攻撃モードに入ります。

酵母型と菌糸型のカンジタ (Nature Reviews Microbiology 9, 737-748, October 2011)

酵母型が「静かに共生している住人」だとすれば、菌糸型は「組織に侵入して暴れる侵略者」のような存在です。

この切り替えスイッチになるのが「砂糖」と「アルカリ環境」。

  • 甘い物を食べすぎる
  • 胃酸抑制剤の服用(胃酸が減って腸がアルカリ化)
  • 抗生物質の使用(乳酸菌が減りアルカリ化)

特に日本人に多いピロリ菌除菌治療は、胃酸抑制剤+抗生物質を同時に使うため、腸カンジダを誘発するリスクが高いとされています。

菌糸型になったカンジダは腸粘膜を突き破り、腸に根を張ります。まるで お風呂場のカビがタイルの奥まで入り込んで落ちにくい のと同じです。
この過程で腸のバリア機能が壊され、未消化物や毒素が血液に漏れ出す「リーキーガット症候群」にもつながります。


4. 毒素を作り出す

カンジダは増殖すると、体にさまざまな毒素を放出します。

  • アセトアルデヒド … 二日酔いの原因物質。頭痛や集中力低下を招く
  • 3-オキソグルタル酸 … 細胞のエネルギー工場ミトコンドリアを傷つけ、疲労感を引き起こす
  • アンモニア … 脳をぼーっとさせ、腸をさらにアルカリ化させる

この結果、「アルカリ化 → 菌糸化 → 粘膜破壊 → 毒素放出 → さらなるアルカリ化」という悪循環に陥り、疲労やメンタル不調まで引き起こします。


5. ダイ・オフ現象に注意

カンジダを一気に殺そうとすると「ダイ・オフ」と呼ばれる反応が起こります。
これはカンジダ菌が死滅する際に、体内に溜め込んでいた毒素(アンモニアやアセトアルデヒドなど)を一気に放出してしまう現象です。

その結果、

  • 倦怠感や頭痛が強まる
  • 腹部不快感や下痢が悪化する
  • 集中力が落ちて仕事に支障が出る

といった、症状がかえって重くなる状態に陥ります。

特に、カンジダが増殖して腸粘膜を傷つけ(リーキーガット)、毒素がすでに大量に出ている段階で、準備もせずにサプリや抗真菌薬を始めてしまうと、肝臓は解毒に追われ、全身の負担が一気に高まります。
実際に「自己流で始めて悪化し、来院された方」は少なくありません。

だからこそ、カンジダ除菌に入る前に整えておくべき準備があります。

  • 便秘の改善(排泄ルートを確保)
  • 胃酸や乳酸菌で腸内を弱酸性に戻す
  • 腸粘膜の修復
  • アンモニアなど毒素のケア

このステップを踏むことで、ダイ・オフを最小限に抑え、安心して治療を進められるのです。

6. バイオフィルムを形成する

カンジダがしぶといもう一つの理由が「バイオフィルム」です。
これは微生物が自分の代謝産物と菌体を絡み合わせて作る膜で、排水溝のぬめりや歯のプラークもその一種です。

このバイオフィルムの中に守られたカンジダは、抗真菌薬や免疫の攻撃から逃れ、まるで城壁の中に隠れた集落のようにしぶとく生き残ります。
そのため、薬を使っても再発を繰り返す大きな要因になります。

近年では、バイオフィルムを壊すために消化酵素や天然ハーブの併用が有効とされ、「壁を壊してから敵を倒す」戦略が必要と考えられています。


まとめ|手ごわい敵だからこそ正しい戦略を

カンジダが手ごわいのは、

  • 症状が感染症らしく見えない
  • 検査で見つけにくい
  • 環境変化で一気に増殖する
  • 毒素を産生して悪循環を作る
  • ダイ・オフで症状が一時的に悪化する
  • バイオフィルムで守られている

からです。

→ 自己流で一気に除菌しようとすると、かえって悪化することもあります。
だからこそ、段階的に腸内環境を整えながら進める治療が必要なのです。


治療をお考えの方へ

京橋ウェルネスクリニックでは、腸内環境の解析や毒素ケア・腸粘膜修復を行ったうえで、再発を防ぐカンジダ治療をご提案しています。

「何度も再発してつらい」「自己流治療で悪化してしまった」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの体に合った安全で効果的な治療プランを一緒に考えていきましょう

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