カンジダが増える5大原因|腸カンジダを防ぐために知っておきたいこと

「カンジダ」と聞くと、膣カンジダを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし実際には、カンジダは膣だけでなく 腸・口腔・胃など全身で増殖しやすい性質 を持っています。
特に、膣カンジダを繰り返す場合は、腸にカンジダの本隊が居座っているケースが少なくありません。
つまり腸カンジダを整えることが、膣カンジダを再発させない大切なポイントなのです。
腸カンジダが増える背景には、砂糖や抗生物質だけでなく、生活習慣や環境因子など意外なものも関わっています。
本記事では、腸カンジダを引き起こす「5大原因」をわかりやすく解説し、再発予防のためのヒントをご紹介します。
カンジダが増える5大原因
1. 砂糖と加工食品

現代人がカンジダ感染症にかかりやすい最大の理由は、砂糖摂取量の増加です。
カンジダは酵母という真菌(カビ)の一種で、特に 単純糖質(砂糖など)を好んで増殖 します。
- 砂糖を摂るとカンジダは菌糸を伸ばして腸壁に食い込み増殖
- 甘いものを無性に欲するのは腸カンジダのサイン
- 清涼飲料水や加工食品にも隠れ糖質が多い
「甘い物を食べていないのに…」という方も、実は菓子パンやスナック菓子、エナジードリンク、ファーストフードなどから無意識に糖質を摂っています。
さらに、以下の食品もカンジダ増殖を助長します。
- カフェイン(血糖値を上げる)
- グルテン(腸粘膜を荒らす)
- カゼイン(乳糖も影響)
- アルコール
まずは砂糖・加工食品を減らすことが第一歩 です。
2. 抗生物質の乱用

腸内には、乳酸菌をはじめとする善玉菌が一定の数で住みついています。
この「腸内細菌叢」がバランスよく保たれている限り、カンジダが過剰に増殖することはありません。しかし近年の抗生物質は非常に強力で、多くの菌種に作用します。
その結果、病気の原因菌だけでなく 腸の善玉菌まで一掃してしまう ため、カンジダが増殖する余地ができてしまいます。
腸内細菌が果たす3つの役割
- スペースを埋める
善玉菌が腸内の居場所を占めることで、悪玉菌やカンジダが入り込む余地をなくします。 - 腸を弱酸性に保つ
乳酸菌は腸を弱酸性に保ち、カンジダが「菌糸型」に変化するのを防ぎます。
アルカリ環境になるとカンジダは菌糸を伸ばし、腸粘膜を破って毒素を放出しやすくなります。
→胃酸の分泌を促すことも、カンジダ予防に有効です。逆に胃酸を抑える薬は増殖のリスクになります。 - 免疫を支える
全身の免疫細胞の約6割は腸に集まっています。善玉菌が減ると免疫が低下し、カンジダが優位になります。
抗生物質治療の代表例:ピロリ菌除菌
抗生物質は、風邪や副鼻腔炎、歯科治療、膀胱炎など幅広く使われています。短期間でも善玉菌が減少すると腸内環境の回復に時間がかかり、その間にカンジダが優位になります。
特に ピロリ菌除菌治療 では1週間にわたり複数の抗生物質を服用するため、下痢や腹部不快感を訴える人が少なくありません。実際に、プロバイオティクスが抗生物質に伴う下痢症状を予防し、腸管内の生態系の維持やその後の回復に役立つことは、多くの研究で実証されています。
当院でも、慢性疲労を訴えて来院される方の中には、数か月〜数年前にピロリ菌の除菌を行ってから不調が続いているというケースが少なくありません。
抗生物質で腸内細菌が一掃された後、カンジダが優位になり、そのまま慢性症状につながる例が実際に見られます。
→抗生物質は必要な治療ですが、同時に腸内環境をどう守るかが、その後の健康状態を大きく左右するといえるでしょう。
抗生物質以外にも注意したいもの
- 加工肉:原料動物に使われた抗生剤の影響が残る場合がある
- 水道水・プールの塩素:殺菌作用により腸内細菌にも影響
→抗生物質だけでなく、日常生活でも「腸内細菌に負担をかけるもの」が潜んでいることを知っておきましょう。
3. 慢性的なストレス
ストレスがかかると副腎から「コルチゾール」が分泌され、血糖値が上昇します。
この状態が続くと、糖を好むカンジダにとっては絶好の環境になってしまいます。
さらに、自律神経の乱れで免疫力が下がり、カンジダ増殖を抑える力も弱まります。
慢性的なストレスは便秘や下痢、過食、不眠などの症状とも結びつき、腸粘膜を弱らせます。
実際に腸カンジダの患者さんでは、腸粘膜の免疫指標である便中IgAが低下している例も多く見られます。

対策の一例
- 高濃度ビタミンC点滴(副腎を守りリラックス効果も期待)
- ビタミンDサプリメント(免疫を高める。血中濃度測定を推奨)
- 睡眠とストレスマネジメント
「甘い物+ストレス」コンビは腸カンジダの大敵 です。
4. ホルモンバランス(ピルやエストロゲン)
ピル(経口避妊薬)やエストロゲン補充療法は、膣内のグリコーゲンを増やします。
このグリコーゲンが分解されると、カンジダの餌となるグルコースに変わり、感染を助長します。
- ピル、ペッサリー、避妊器具などがカンジダ増殖のリスク因子
- 閉経後にホルモン補充を受けている女性でも感染が増える傾向
近年では20代女性を中心にピルの使用が増えています。避妊目的だけでなく、生理痛やPMSの緩和目的で服用されることも多く、長期間の使用が腸や膣のカンジダ環境に影響を与えるケースが指摘されています。
女性特有のリスク因子として、医師と相談しながら対策を取ることが大切です。
参考:閉経後の女性に対してエストロゲン投与とカンジタ感染に顕著な相関性がみられた。
Aust N Z J Obstet Gynaecol. 2001 Aug;41(3):326-8.
5. 歯科アマルガム(水銀)

かつて歯科治療で使われていた詰め物「アマルガム」には、水銀が約50%含まれています。
コーヒーを飲む・ガムを噛むといった刺激でも蒸気となり体内に入り込むことが知られています。
水銀は強力な神経毒で、慢性疲労・ブレインフォグ(頭の霧)・集中力低下といった症状を引き起こすだけでなく、カンジダとも密接に関わります。
- 免疫を低下させ、カンジダの増殖を後押しする
- 腸内酵素を不活性化し、腸カンジダを助長する
- カンジダのバイオフィルムに取り込まれると排出されにくくなる
実際、ある専門医は 慢性カンジダ患者の98%に水銀毒性が確認された と報告しています(Dr J. Trowbridge『イースト・シンドローム』)。
さらに水銀は胎盤を通過し、母親のアマルガムの数に比例して新生児の体内濃度が高くなることも研究で示されています。
→ 歯科アマルガムは現在ほとんど使われていませんが、過去の治療歴や親世代からの影響も含め、長期的にカンジダを悪化させる要因となり得ます。
カンジダを増やさないためにできること
- 砂糖・加工食品を控える(甘い物の過剰摂取をやめる)
- 腸内環境を守る(乳酸菌・プロバイオティクスを活用、胃酸を抑える薬の乱用を避ける)
- ストレスケア(休養・睡眠・ビタミン補充)
- ホルモン治療や避妊法は医師に相談
- 歯科アマルガムや金属の影響も考慮
小さな工夫の積み重ねで、腸カンジダの再発は防ぎやすくなります。
まとめ|生活習慣を整えて腸カンジダを防ごう
カンジダが増える背景には、砂糖、抗生物質、ストレス、ホルモン、水銀など、私たちの生活に潜むさまざまな要因があります。
まずは 「食生活の改善+ストレスコントロール」 が最も大切な対策です。
それでもカンジダ症を繰り返す場合は、腸カンジダが関与している可能性があるため、専門的な検査や治療が必要です。
京橋ウェルネスクリニックでは、腸内環境の解析や副作用の少ない治療を通じて、カンジダ症の再発予防に取り組んでいます。
繰り返すカンジダ症でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。