大人ニキビの本当の原因|除菌・食生活(乳製品)・腸内環境を医学的に解説

―繰り返す大人ニキビは、身体の中に残った菌の影響を受けていた―
はじめに
大人ニキビは治りにくい。
そう感じている方は非常に多くいらっしゃいます。
皮膚科の外用薬を塗っても、スキンケアを見直しても、
一度落ち着いたと思えば、また同じ場所に現れてしまう。
特にフェイスライン、口まわり、顎のラインに繰り返し出てくる大人ニキビは、
思春期のニキビとはまったく異なるメカニズムで起こっています。
大人ニキビが治りにくい理由は
肌表面の問題よりも 「身体の中に治りにくい状態ができている」から です。
胃酸の低下、腸内細菌の乱れ、血糖値の乱高下、体内に残った菌(カンジダ・ピロリ)など、
皮脂が増えるスイッチを押し続ける要因 が大人の体には潜んでいます。
この記事では、ニキビ治療の専門知識をわかりやすく整理しながら、
大人ニキビの本当の原因と、根本改善に向けて必要な医学的視点を解説します。
1. 一般的なニキビの発生メカニズム

ニキビは次の段階を経て悪化します。
- 皮脂が増える
- 毛穴の出口(角質)が厚くなる
- 毛穴が詰まり白ニキビができる
- 毛穴内部でアクネ菌が増殖
- マラセチア(真菌)が関与し炎症が悪化
皮脂増加 → 詰まり → アクネ菌 → マラセチア → 炎症
この流れは思春期も大人も共通です。
2. 大人ニキビは「皮脂が増える理由」が決定的に違う
思春期ニキビはホルモン量が増えることで皮脂が増える一方、
大人ニキビは 皮脂増加の原因が別の場所にある のが最大の特徴です。
そのため、外用薬だけでは改善しにくく、再発しやすいのです。
2-1. ホルモン量に関係なく皮脂分泌量が変わる
大人になるとホルモン分泌量はむしろ落ち着きます。
しかし、ストレス・睡眠不足・血糖値の乱れなどによって
皮脂腺が刺激され、
同じホルモン量でも皮脂が過剰に分泌されやすくなります。
2-2. 胃酸低下と消化力の低下
大人ニキビを抱える方に多いのが「低胃酸」です。
胃酸が弱ると:
- タンパク質が十分に分解されない
- 鉄・亜鉛が吸収できない
- 肌の修復材料が不足する
- 未消化物が小腸へ流れ込み、菌のエサになる
- 腸に炎症が起こり皮脂バランスが乱れる
特にピロリ菌は胃酸を弱めるため、
大人ニキビの起点になりやすい菌です。
2-3. 腸内細菌の乱れ(腸皮膚相関)
腸と肌は、免疫やホルモンを介して密接につながっています。
腸が炎症を起こすことで:
- 毛穴の角質が厚くなる
- 皮脂腺の炎症物質が増える
- mTOR(皮脂増加スイッチ)が過剰に働く
こうした影響が肌にそのまま反映されます。
2-4. 血糖の乱れ(食事が皮脂と直結)
現代人の大人ニキビに非常に深く関わるのが、血糖値の急上昇です。
血糖が急上昇
→ インスリンが大量に出る
→ mTOR活性(皮脂増加スイッチON)
→ 毛穴が詰まりやすくなる
Melnik(2011)は、
乳製品・小麦・砂糖などが mTOR を強く刺激し、
大人ニキビが長期化する根本にあると報告しています。
2-5. 大人ニキビの背景にある体内の菌
大人ニキビが長引く背景を医学的に紐解いていくと、
皮脂やホルモンだけでは説明できないケースが多く見られます。
特に近年注目されているのが、
体内に残っている菌(カンジダ・ピロリ菌)が、
消化や腸内環境に影響を与えている可能性 です。
大人ニキビの患者さんの中には、
食事を見直し、スキンケアを変え、外用薬を継続しても
なかなか改善に至らない方が一定数存在します。
そうした方を詳しく調べてみると、
胃酸の低下や腸内環境の炎症が背景にあるケースが目立ちます。
そしてその根底にあるのが 体内に残った菌の存在 です。
非常に興味深い臨床データが示されています。
ニキビ患者さんの腸内環境を検査したところ、非常に高確率でカンジダ・ピロリ菌が検出されました。
- カンジダ陽性:94%
- ピロリ菌陽性:92%
これは偶然ではありません。
カンジダやピロリ菌は:
- 胃酸を弱める
- 腸に炎症を起こす
- 栄養吸収を阻害する
- 血糖を乱す
これらすべてが 皮脂が増え続ける体質 をつくり、大人ニキビを長期化させます。
3. 文献が示す「大人ニキビの本質」
3-1. Cordain(2002):食生活でニキビが存在しなくなる
Cordainらはパプアニューギニアやパラグアイの先住民を調査し、
対象者にニキビが一人も存在しなかったと報告しています。
これらの地域の共通点は
乳製品・小麦・砂糖といった 西洋食 をほとんど摂らず、
腸内炎症を起こしにくい食生活であること。
大人ニキビと食生活の関係を理解する上で非常に重要な研究です。

3-2. Adebamowo(2005, 2006):乳製品と皮脂の関係
七万八千人以上の大規模データの分析では、
スキムミルクの摂取とニキビ発症が関連していることが示されています。
乳製品は IGF-1 を上昇させ、皮脂分泌を促すことが裏付けされました。
3-3. Melnik(2011):mTORシグナルがニキビの中心
Melnikは、
乳製品、小麦、砂糖などが mTOR(皮脂増加スイッチ)を刺激し、
ニキビの発症・悪化に深く関わっていると提唱しています。
大人ニキビでは食事の質が症状を左右する理由がここにあります。

3-4. 腸内環境と肌:Bowe & Logan(2011) / Fabbrocini(2016)
腸内細菌の乱れは、
皮脂腺の炎症を増やし、毛穴が詰まりやすい状態をつくると報告されています。
特に大人ニキビは、腸の炎症を伴うケースが多いため、
腸内細菌のバランス改善が改善の鍵になります。
3-5.ニキビ患者の カンジダ・ピロリ感染率の臨床データ解説
- カンジダ陽性:94%
- ピロリ陽性:92%
これらの菌は胃酸を弱め、腸内炎症を引き起こし、
皮脂分泌のスイッチが入りやすい体質をつくります。
まさに 大人ニキビが治らず繰り返す根本原因 です。

4. 大人ニキビが治りにくい本当の理由
大人ニキビは
肌の問題 < 体内で起きている問題
という構造が明確になります。
身体の中では、
- 胃酸低下
- 腸内細菌の乱れ
- カンジダ・ピロリ菌の残存
- 血糖の乱高下
- 栄養不足
- ストレス
- ホルモン過敏
これらが 皮脂を増やすエンジンとして働き続けている のです。
外用薬だけではこのエンジンを止めることができません。
だから、治ってもまた同じ場所に出てきます。
あなたの肌が弱いのではありません。
身体の中に 治りにくい構造が存在している のです。
5. 根本改善には腸・胃の除菌が必要
大人ニキビを根本から改善するには、
皮脂が増える原因そのものにアプローチする必要があります。
- 腸内の炎症を止める
- 胃酸を整える
- カンジダ・ピロリ菌を除菌する
- 栄養吸収を改善する
といった 体内環境の立て直し です。
これらが改善されると、
皮脂分泌のスイッチが静まり、
ニキビが再発しにくい肌へと変化していきます。
■ ニキビ肌除菌モニターについて
当院では、腸内環境・胃酸の状態・菌の残存を評価する検査に基づいた
腸内除菌プログラムを導入しています。
検査を簡便にした3か月モニタープランをご用意しております。
繰り返す大人ニキビの背景には、
体内の菌や消化不良の問題が深く関わるため、
内側のケアは根本改善への最短ルートです。
詳しくはこちらをご確認ください。
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