なぜカンジダは何度も再発するのか?根治のための3つのコツ
最近、カンジダに関するお問い合わせを多数頂きます。
カンジダは単なる膣の感染症ではありません。
体臭、お腹の膨満感、疲労、ブレインフォグまで引き起こす、非常に厄介な真菌(カビ)です。
管腔臓器(管になっている臓器、腸とか膣など)で増えやすく、特に腸での増殖は厄介です。
中途半端な除菌方法では、何度でも再発してしまいます。
そこで今回は、当院で行なっているカンジダを効果的に駆除する方法をお伝えします。
カンジダ根治のための3つのコツ
コツ1:砂糖を徹底的に断つ
カンジダが増えている人の多くは甘いものを好みます。これは偶然ではありません。カンジダが甘いものを栄養源にして増殖するからです。
砂糖を摂らないことで、カンジダの増殖を根本から抑えることができます。
除菌後は不思議なほど甘いもの依存がなくなります。
多くの人は除菌後やせます。
コツ2:時間をかけてゆっくり除菌する
カンジダの厄介な点は、増殖するとバイオフィルム(糖やタンパク質でできたバリア)を作ることです。このバリアにより、抗真菌薬が効きにくい状態になってしまいます。
そのため除菌には、バイオフィルムも除去しながら、じっくり時間をかけて取り組む必要があります。
当院では除菌薬を2ヶ月間継続して使用しています。
コツ3:カンジダが増えた根本原因も同時に治療する
カンジダは常在菌として人の体に少しだけ存在していますが、異常増殖することもあります。
主な原因は以下のとおりです。
・抗生剤の過剰使用(最多)
・腸の免疫低下や他の病原菌の存在
・甘いものの摂りすぎやストレス
これらの根本原因を放置したまま除菌だけ行っても、必ず再発します。
以上、カンジダ治療のコツは、甘いものを減らすこと、ゆっくり時間をかけること、カンジダの増えた環境も一緒に治療することです。
治療のジレンマとその解決策
ここで大きな問題があります。
カンジダは人間の細胞構造に近いため、抗真菌薬は副作用が出やすい特徴があります。
だからできるだけ除菌は短期間で済ませたいんです。
でも、腸内のカンジダはバイオフィルムを形成しているため、長期の除菌が不可欠です。
一体どうすれば??
このジレンマを解決するのが「ナイスタチン」という薬です。
ナイスタチンは他の抗真菌薬と違い、非吸収性で腸から吸収されにくいので、全身の副作用が出にくいのです。
60日間の処方に耐えられる抗真菌薬はナイスタチンをおいて、他にはありません。
今では高価な薬になってしまいましたが(以前は日本で処方できましたが、今は製造中止なのでスイスから輸入しています)、当院の使う薬は15年前からこれ一択です。
重要な注意点:ダイオフ症状について
抗真菌薬を使用する際は、必ず事前準備が必要です。
カンジダが産生する毒素(アセトアルデヒドやアンモニア)は強力で、準備なしで薬を使用すると毒素処理が肝臓で追いつかず、体調悪化を招きます。これを「ダイオフ症状」と呼びます。
治療前には必ず、食事療法やサプリメントで腸の炎症を調整してから開始してください。
まとめ
カンジダの根治は、単純に抗菌剤を使えば良いという問題ではありません。
成功のポイントは:
- カンジダが増殖してしまった体内環境ごと改善すること
- 適切な薬剤選択と十分な治療期間の確保
- 事前準備による安全な治療実施
です。
当院で治療後に「一番改善を実感した」とお話しいただくのも、このカンジダ治療です。
当院では、カンジダが異常増殖してしまう環境の改善も含めた、包括的で安全な治療をご提供しています。