マイコトキシン(カビ毒)が慢性疲労と若年性認知症を引き起こす

マイコトキシン (Mycotoxin)は、カビ(真菌)が産生する毒素の総称で、人や動物に様々な病的被害を引き起こします。

様々な食品に含まれますが、熱に強いため、加熱調理にてカビが死滅した後でも残存し人体に取り込まれる厄介な存在です。小麦、大麦などのカビの生えやすい穀物はもちろん、汚染された飼料を食べた牛や豚の肉から摂取してしまう事もあります。

また湿気の多い日本において、近年気密性の良い高性能住宅が作られていることも関連します。

マイコトキシンは細胞膜やミトコンドリア機能障害、活性酸素発生や炎症などを引き起こすため様々な症状を引き起こします。

ここでは、代表的なカビとその毒素が引き起こす病態・その対策について説明します。

様々なカビとマイコトキシン

アスペルギルス

発がん性の高い事で有名なアフラトキシンを産生します。汚染されたトウモロコシ、小麦、コメ等から暴露します。認知機能の低下をきたします。

スタキボトリス属

俗にクロカビと呼ばれる糸状菌で、世界中の土壌に存在しますが、浸水や結露などによって高湿度になると住宅にも生えるようになります。(台風による浸水地域などで大量に発生)ベルカリンなどトリコテセン類のマイコトキシンを産生します。

1993年に米国で流行した乳児の突発性肺出血症で、乳児の自宅からはスタキボトリス属が検出されました。また、この菌をマウスに吸入させることで肺高血圧を発症する報告も見られ、肺に大きな影響を与えていることが示唆されています。

フザリウム

白カビであり、エストロゲン活性の非常に強いゼアラレノンを産生します。生殖系疾患の原因となります。

症状

疲労、衰弱、疲労、不眠などが代表的な症状ですが、環境に対する過敏性も大きな特徴です。解毒により肝臓の予備能力が低下しているために、新たな化学物質に非常に敏感になってしまうのです。

さらに、毒素が体内にとどまると慢性炎症反応症候群を引き起こします。

特に慢性疲労症候群、線維性筋痛症、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病などの症状を持っている方は一度疑ってみる必要があります。

慢性炎症反応症候群(chronic-inflammatory-response-syndrome)

毒素に暴露された際に排除する力が弱いと体内にとどまり、持続的な炎症を引き起こします。これを慢性炎症反応症候群(chronic-inflammatory-response-syndrome)と呼んでいます。

毒素は体内のあらゆる細胞の受容体に結合し、サイトカインが産生され炎症経路が活性化し、頭痛、筋肉痛、および 集中困難など多くの症状を引き起こします。

サイトカインの脳への影響

サイトカインは脳においてレプチン受容体をブロックするため、アルファメラノサイト刺激ホルモン(MSH)の産生が低下します。MSHの低下はメラトニン産生も減少させ、睡眠障害を招きます。また、エンドルフィン産生が抑制され、慢性疼痛の原因となります。さらにADH(抗利尿ホルモン)を欠乏させるため頻尿になります。

また、性ホルモン産生低下させ、コルチゾールおよびACTHの産生を増加させますが、進行とともにコルチゾールは低下していきます。

さらにMSHの欠如は、吸収不良、リーキーガットの引き金になり、また鼻腔においてバイオフィルムに覆われ外毒素を生成する抗生物質耐性菌(MARCoNS)を育成します。

アルツハイマーにもCIRSが関係する

Bredesen博士は、ある種の若年型アルツハイマー病はマイコトキシンなどの毒性によるCIRSが本態であり、治療により認知機能が改善したと報告しています。

3型アルツハイマー病で説明された最初の6人の患者のすべてが、マイコトキシンを含む有害な暴露歴を有していた。

遺伝的な要因が症状を左右する

カビを含む食物の摂取や、湿気の多い建物への居住歴などカビの暴露履歴の他に、発症する大きな原因と考えられるのはカビ毒を解毒することができない遺伝的体質です。

白血球の血液型とよばれるHLAの一部、HLA-DR、HLA-DQは取り込んだ異物をヘルパーT細胞に提示する働きを担っています。ここに変異があると異物の排除に支障が起きます。

例えば、HLA DR / DQ 43-53は、より厳しい疲労、うつ病およびカビ曝露による気分障害、HLA DR / DQ 11-3-52Bは、コラーゲン血管の問題、自己免疫疾患に罹りやすい、という傾向があります。Bredesen博士は報告した3型アルツハイマー患者8名中6名にこの遺伝子変異を認めたと報告しています。

また、HLA異常はグリアジン抗体等を産生することもわかっています。

検査

尿中マイコトキシン

カビ毒の暴露がうたがわれる場合、まずはマイコトキシン量を検査しましょう。グレートプレーンズ社は様々なマイコトキシンの尿中定量検査を提供しています。

マイコトキシンにやられてしまう人は、解毒が上手くできない人なので、通常の検査ではマイコトキシンが尿中に十分出てこない場合があります。そのためこの検査ではグルタチオンなど解毒物質の1~5日間投与による負荷検査を行う事で臨床状況のより深い相関がえられるでしょう。

HLA遺伝子検査

慢性副鼻腔感染があったり、慢性疲労、副腎疲労、線維筋痛症など慢性の疾患と診断されたら、毒素の排泄に関わる遺伝子変異の検査も検討してください。HLA-DR遺伝子はあなたの体に毒素と戦う抗体を作るよう指示します。それがなければ、あなたの体は毒素を取り除くことができません。

視覚コントラストテスト検査

マイコトキシンは、神経細胞の機能に直接影響を及ぼし視覚コントラストを低下させます。

治療

マイコトキシンの様々な吸着剤を使用します。薬剤だとコレスチラミン、コレバイン等を使用します。他にクレイ、活性炭、クロレラなどが使用されます。他にサウナ療法、空気清浄器も有効です。

副鼻腔や口腔にMARCoNS(多重抗生物質耐性菌)、バイオフィルムが認められるようならそれに対しても対処します。Carnahan博士はバイオフィルム除去作用のあるEDTAとゲンタマイシン入りの鼻スプレーや、Neilmedなどの鼻腔洗浄機を使って銀やグレープフルーツシードで鼻洗浄を行います。

また、二次的なホルモン異常についてもフォローが必要です。例えば、コルチゾール高値により睡眠に影響している人に対して、ホスファチジルセリンやロディオラなど副腎ケアを行います。

食事療法

穀物フリー(特にトウモロコシ、ピーナッツ、カシュー、ピスタチオ、マイコトキシンの供給源となりうる)、グルテン、カゼイン、砂糖フリー食。
発酵食品は、ヒスタミン産生の観点からお勧めしません。
食物アレルギーで反応する食事は、一定期間除去する事がお勧めです。

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