スペイン旅行から考える地中海料理と認知症発症の関係

私事ですが、先日スペイン旅行に行ってきました。

レストランに行くとほとんどのお店でオリーブオイルがテーブルにセッティングされていました。日本の飲食店でもカウンターやテーブル横にお醤油や塩やコショウなどの卓上調味料が並んでいることがありますよね。まさにそんな感じです。

今回の記事ではオリーブオイルをたっぷり使い、新鮮なお野菜、魚介類を多く使う地中海食と認知症機能についてまとめてみました。

日本はあり得ないスピードで超高齢化社会をむかえることになります。要介護の主な原因が認知症となるため、介護にかかわるご家族にとっても大変深刻な病気です。
この記事を最後までお読みいただければ、アルツハイマー型認知症対策の食事について知ることが出来ます。

地中海料理とは

地中海料理とはスペイン、イタリア、ギリシャなどのヨーロッパ地中海沿岸地域の料理のことです。野菜、果物、ナッツ類、魚介類などの食材を豊富に、オリーブオイルをたっぷり使うのが特徴。

私が旅で食べた料理は、
・エビのアヒージョ
・魚介のブイヤベース
・アクアパッツァ
・シーフードのパエリア
・たらのアリオリ(alioli)ソース:にんにくとオリーブオイルのソース
・ピンチョス
などなど。

ホテルの朝食では、オリーブオイルとお塩で和えた野菜(チョップドサラダ)やマリネ、スパニッシュオムレツ、サーモンとサワークリームのピンチョスなどが出てきました。

基本的にパン(グルテン)を食べなければとても素晴らしい食事ではないかと思います。
しかし旅行中は、主食はパエリアという選択肢もあるものの、あまりのパンの美味しさについ食べ過ぎてしまいました。

グルテンについては詳しくはこちらをご覧ください。

地中海料理の素晴らしい点は、
まず和食と違い砂糖の少なさ。和食は煮物や照り焼き、酢の物に沢山の砂糖を使います。たしかにマリネやドレッシングに砂糖を使うこともありますが、それ以外は砂糖は多くないと思います。
そして魚やオリーブオイルから良い脂質も摂れます。魚介類は亜鉛やマグネシウムなどのミネラルも多いです。豊富な野菜類、キヌアやナッツから食物繊維も摂れます。たんぱく質もしっかり摂れるメニューが多いです。米がメインのパエリアであっても、魚介などから旨味のアミノ酸、たんぱく質がしっかり摂れるので、意外とたんぱく質量は多くなります。

スペインはオリーブオイル生産量が世界1位

私が旅行したスペインはオリーブの生産量が世界1位ということもあるからなのか、ほとんどのレストランでオリーブの塩漬けやオイル漬けがお通し的に出てきます。
ここで驚いたのがスペインのオリーブが美味しいということ。お店によって味は様々ですが、どこも美味しかったです。

さらにスーパーには数多くのオリーブの瓶詰めが並んでいました。日本ではあまり見かけることの少ない豊富な種類のオリーブがあり楽しいお買い物でした。
こちらが我が家用に購入したオリーブオイル2本と、オリーブ、イビサ塩などです。

また今回スペインで知ったアリオリ(alioli)ソース(にんにくとオリーブオイルのマヨネーズ)も気に入ってしまい、スーパーで即買いしてしまいました。

自宅でタラや鶏肉をソテーしたものにかけたり、ドレッシングにしたりして食べています。
アリオリ(alioli)ソースは卵黄、オリーブオイル、すりおろしニンニク、レモン汁で簡単に作ることもできます。

オリーブの抗酸化作用

オリーブの抗酸化作用は有名です。
オリーブの実は太陽の光を浴びる過程で、紫外線から身を守るために何種類もの抗酸化成分(ポリフェノール)を作り出しています。この抗酸化成分は互いの相乗効果でより強い抗酸化パワーを発揮するのです。

特にエキストラバージンオリーブオイルには、オリーブの果実を丸々絞り、いわば天然のジュースにしているので、抗酸化成分もしっかりと絞り出されています。
オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸(オメガ9)は不飽和脂肪酸の中では断トツで酸化がされにくいことに加え、さらに先述した抗酸化成分によりオイルの酸化を防いでくれています。

油については詳しくは下記をご覧ください。

トランス脂肪酸の害と体にいい油の選び方5つのコツ

認知症とオリーブオイルの関係

多くの研究で地中海食と認知症の発症率に有意な低下がみられています。

Mediterranean diet, Alzheimer disease, and vascular mediation.
こちらはアルツハイマー型認知症194名と健康高齢者1790名の食生活を比較したアメリカの研究です。「地中海食」で認知症のリスクが半減。

その理由の一つはオリーブオイルにあるのではないかと考えられています。
オリーブオイルに含まれる「オレオカンタール」という成分は、抗酸化作用と抗炎症作用がありアルツハイマー型認知症の患者の脳に蓄積されるアミロイドβを軽減してくれる働きがあるそうです。

「オレオカンタール」はシクロオキシゲナーゼを阻害する働きがあります。シクロオキシゲナーゼはアラキドン酸から炎症性の生理活性物質プロスタグランジンを合成する酵素ですから、「オレオカンタール」によって炎症性の生理活性物質の産生が抑制されるわけです。

“Phytochemistry: Ibuprofen-like activity in extra-virgin olive oil.” Beauchamp, Gary K.; Keast, Russell S. J.; Morel, Diane; Lin, Jianming; Pika, Jana; Han, Qiang; Lee, Chi-Ho; Smith, Amos B.; Breslin, Paul A. S. Nature (2005), 437(7055), 45-46.
エキストラバージンオリーブオイルのイブプロフェン様活性。

赤ワインとアミロイドβ

赤ワインに含まれるレスベラトロール(ポリフェノールの一種)はアミロイドβの蓄積を抑制したというマウスの実験もあります。
Moderate consumption of Cabernet Sauvignon attenuates Abeta neuropathology in a mouse model of Alzheimer’s disease.

「レスベラトロール」はぶどうの皮やアーモンドに多く含まれます。
アミロイドβ分解促進作用以外にも、抗酸化・抗炎症作用、血管拡張作用、インスリン感受性改善作用、脂質代謝改善作用などがありますが、だからと言ってアルコールの多量摂取も問題ですので、「レスベラトロール」に関してはサプリメントをうまく使う方がよいかもしれませんね。

アルツハイマー型認知症の本当の原因

アルツハイマー型認知症の原因はアミロイドβというたんぱく質が脳に蓄積して発症すると言われています。しかし「脳へのアミロイドβの蓄積」は結果であり、原因ではありません。
老廃物であるアミロイドβが脳に蓄積する根本原因が
・睡眠不足
・栄養不足
・過剰な糖質、過剰な肉
・喫煙
・ストレス
・遺伝子の問題(遺伝子的にアルツハイマー型認知症になりやすい)
などと言われています。

Kamat SM,Kamat AS,et al: Dementia risk prediction: are we there yet?:Clinics in Geriatric Medicine 26:1(113-123),2010

ですから、よく寝て、ストレスをなくし、過剰な糖質や肉を控えれば良いことになるのですが、具体的に以下でアルツハイマー型認知症の対策の食事を書いていきたいと思います。

アルツハイマー型認知症の対策と食事

①地中海料理を食べる

わざわざ洒落た地中海レストランに行く必要はありません。自宅で簡単に作れる地中海レシピを紹介します。
・サーモンのマリネ
スライスした玉ねぎを水にさらし、お皿にのせる
その上にスモークサーモンをのせて、レモン汁、オリーブオイル、天然塩をかけるだけ

・タラをオリーブオイルで焼き、ハーブソルト、胡椒などで味付けをする
食べる直前にもオリーブオイルをお好みでかけて

こんな感じでオリーブオイルと天然塩、ハーブで野菜やお魚を和えてみてください。

②ココナッツオイルを使う

血中のケトン体濃度が高いほど、認知機能が改善するという研究があります。

Study of the ketogenic agent AC-1202 in mild to moderate Alzheimer’s disease: a randomized, double-blind, placebo-controlled, multicenter trial.

ただしAPOE4遺伝子を持つ人は血中のケトン体濃度が上がらないようなので、ココナッツオイルを積極的に使いません。

ケトン食の効果と実践のための8つのポイント

糖質過剰な人は糖質を減らすと良いですが、ハードな糖質制限はお勧めしません。また糖質は質を選んで摂ることが重要です。

地中海料理でよく出てくるじゃがいもの炭水化物はデンプン+食物繊維です。
米やイモなどのデンプンを中心としたものを適度に摂り、精製された砂糖を減らし、ジュースなどに含まれる果糖液糖は摂らないようにしましょう。

運動量や身体活動量が多い人などは糖の必要量が増すことから、糖の適切な量には個体差が大きい為、ここでは深くお話しをしません。しかし過剰な糖質は老化を早め認知機能も低下させてしまいます。
実際糖尿病患者は認知症の発症率が上がるという報告があります。

ココナッツ風味の苦手な人は、風味のないココナッツオイルが最近は出ていますので探してみてください。
ココナッツオイルの主成分である中鎖脂肪酸100%のMCTオイルはココナッツ味がしないので良いのですが、加熱調理ができないのでマリネやサラダのドレッシングに使ってみましょう。

③腸の炎症をとる食事

炎症は全身をまわります。
揚げ物は炒め物を大量に食べる人は要注意です。酸化した油は過酸化脂質を発生させます。まずは調理法にこだわってみましょう。

生、蒸し料理を中心に、加熱調理は酸化しにくいオリーブオイルやこめ油で短時間で行い、揚げ物は控えた食事がおすすめです。原材料は同じでも、ポテトチップスやフライドポテトではなく、蒸したジャガイモといった具合に調理法にも是非気を配ってみてください。

またリーキーガット症候群がある方はこちらの記事も参考にしてみてください。

最後に

食事以外にも睡眠不足やストレスもアルツハイマー型認知症の原因となりますので、寝る前のスマホやパソコンはやめましょう。ブルーライトが睡眠の質を妨げます。

他には脳トレは認知機能を上げるという報告もあります。
Kamat SM,Kamat AS,et al: Dementia risk prediction: are we there yet?:Clinics in Geriatric Medicine 26:1(113-123),2010

日頃より頭を良く使う人は認知症の発症率を低下させます。
なんでも良いので脳を活性化する楽しい趣味を見つけてみると良いのではないでしょうか。
ちなみに料理は様々な調理工程を考えながら作業をするので認知機能UPに良いそうです。

サプリメントでは、PC(ホスファチジルコリン)、PS(ホスファチジルセリン)、DHA、B12、葉酸、B6、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンDも予防に良いのではないかという報告がありますが、あくまでも予防の為、認知症になってからでは遅いので、日頃より生活習慣・食習慣を改善していくよう心がけましょう。

参考になりましたでしょうか。
何か一つでもお役に立てることがありましたら幸いです。

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