受診に至るまでの経緯
3年前より体の関節が痛くなり、リウマチを発症。抗リウマチ薬を内服し、症状が収まっていたが最近足の指の骨に痛みがでており、レントゲンで骨の破壊が見られた。インフルエンザ感染後に痛みが増している。
現在、咽頭痛、尿道炎、関節痛(両肩、手の指、足の甲)が持続している。
マイコプラズマの検査および治療を希望のために来院。
検査
血液検査
貧血軽度、炎症所見CRP0.09と軽度。マイコプラズマファーメンタンスIgM0.403と弱陽性あり。抗生物質治療を開始した。
治療後の経過
1週間後
疲労の軽減あり。
治療3か月後
関節痛はいったんほぼ消失し、抗リウマチ薬も減量。
治療1年後
関節痛時々ぶり返すことがある。抗リウマチ薬は中止している。
治療1年3か月後
歯科治療後に痛み再発、抗リウマチ薬を再開した。
マイコプラズマ検査では数値が下がらず。
治療1年6か月後
関節痛ほとんどなし。歯に病巣感染あり、今後も継続治療。
整形外科でのレントゲン評価上、関節炎の進行はなし。
治療2年後
抗生物質治療いったん中止。しかし、今後も経過観察。
マイコプラズマ検査の推移
まとめ
抗生物質治療を数カ月続けた場合、症状の軽減があってもマイコプラズマ抗体が低下しないことはよくあることです。このような時、病巣感染(身体の別の場所の炎症が原因になって離れた臓器に障害を起こす病像)を起こしている可能性があります。リウマチの場合、多くは歯だったり、咽頭部だったりすることがあります。
リウマチを治療する場合は、病巣感染を起こしている場所に対しても同時に治療を行うことが有効です。この方の場合も、歯科と耳鼻科治療を並行して行っていただきました。