うつ病メチレーションタイプ別による効果的な食事療法

うつ病で一般的に処方されることの多いSSRIなどの向精神薬はセロトニン不足によるうつ病患者さんには有効です。
しかし、この向精神薬が効かない、もしくは悪化してしまう患者さんがいるのも事実です。
このことは、宮澤先生による「うつ病のメチレーションタイプ」のところでもお話ししておりますので、そちらをご覧ください。

うつ病は、脳の神経伝達物質の状態から、5つのタイプに分けることができます。 それぞれのタイプには、特徴的な症状、特徴があります。 ウィリ...
メチレーションについては、私では説明するのは大変難しく、最新の栄養療法をする上でこれからポイントになってくる分野です。
簡単に言うと
「ATPの材料になる物質を作る」
「解毒をする物質をつくる」
「脳内の神経伝達物質を作る」
など人間が生きていくうえで必要となっています。
メチレーション回路が回っていないと、セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの脳内の神経伝達物質が正常に作られません。
反対に、回りすぎていると、興奮しやすくなったり、幻聴や幻覚などの症状が強くでてしまうこともあります。
このメチレーションというのは様々な物質を作るときに必要になる「メチル基」が鍵を握っていて、
メチル基の材料となるのがお肉やお魚に多く含まれる「メチオニン」というアミノ酸です。
この記事では、メチレーションタイプ別の食事法についてまとめてみましたので、ご覧ください。

低メチレーションタイプ

低メチレーションタイプの人はメチレーション回路の回転がスローなので、セロトニンやドーパミンを作るのになかなか苦戦しているんですね。
そこで、冒頭でもお話ししたように、
メチレーションを回す「メチル基」の材料となる「メチオニン」を多く含む食材をとったり、補酵素となるビタミンやミネラル、とくにマグネシウムやビタミンB群を多く摂ることがおすすめとなります。
遺伝子的にメチレーションが回りにくいタイプの人は促進因子のビタミンミネラル補給に加えて、阻害因子である重金属の多い大型魚は避けた方が良いです。

メチオニンの多い食材:肉類、魚介類
マグネシウムの多い食材:桜えび、しらす、あさり、あおさ、わかめ、ひじき、海塩(ぬちまーすなど)

マグネシウムは海の物に多く含まれます。
→どちらかというと肉食よりの食事にプラスして魚介、海藻類と海塩を使った料理
【例えばこんな感じの食事】

たこ焼き器で「アヒージョ」をやってみました。ホームパーティーのひとコマですので、お酒は見えていないことでお願いします。。。
具材は砂肝、タコ、ホタテ、えび、ブロッコリー、ミニトマト、アスパラガス、パプリカ、マッシュルーム
味付けは、オリーブオイルに沖縄のお塩、ハーブソルト少々、アンチョビ、ガーリック、鷹の爪
無水鍋で鶏肉の蒸し料理。味付けはハーブソルト、ローズマリーなど。人参、ジャガイモ、玉ねぎも入れてます。
お肉はメチオニンも多いですが、
セロトニン合成の材料となる「トリプトファン」も多く含まれます。

高メチレーションタイプ

高メチレーションタイプの人は、低メチレーションタイプとは真逆です。
回路が回り過ぎているので、「メチル基」の材料となるメチオニンの量を減らす食事が良いでしょう。
→肉類は少なめで野菜・きのこ・海藻を多くする食事
【例えばこんな感じの食事】

写真は、メチル基の材料「メチオニン」の多いお肉を使っていません。
オクラ・長芋・アボカド・ミョウガ・納豆・卵黄のネバネバ丼に
椎茸と大根と玉ねぎのお味噌汁、春菊の胡麻和えです。
水溶性食物繊維がしっかりとれるので、腸内改善にもおすすめできる食事です。
ちなみに納豆は高たんぱくですが、「メチオニン」の量はお肉の半分以下となります。
また、卵黄より卵白の方が「メチオニン」が多く含まれます。

銅過剰タイプ

銅亜鉛バランスを整える食事は以前に別の記事でもご紹介しましたので、
こちらもご覧ください。

血液中の亜鉛と銅のバランスを見てみると、どちらか一方が多くなることで、脳内の神経伝達物質バランスが崩れてしまうことにつながります。 亜鉛の働...
銅過剰タイプはドーパミンからノルアドレナリンへの変換が亢進しすぎてしまい、イライラや不安感の症状が強くでます。
女性の産後うつなどがのこのタイプです。

→女性ホルモンの過剰となる食品を摂らない。
・イソフラボンの多い大豆製品・豆類の過剰摂取は控える。(豆乳、納豆、豆腐、黒まめ、ヒヨコマメなど)
・ホルモン剤を投与している牛乳、乳製品は摂らない。
・その他、環境ホルモン(ペットボトル、ラップ、プラスチック容器)に注意する。
→銅亜鉛バランスの補正をする。
亜鉛の多い食品を増やす:肉類と魚介類
銅の多い食品を減らす:肝、チョコ、カカオ、ナッツ

【亜鉛を多く含む10食品】
・カキ
・カラスミ
・レバー(豚肉レバー>牛肉レバー>鶏肉レバーの順に多く含まれます)
・牛肉(ローストビーフ/コンビーフ/サラミ)
(特に肩ロースに多く、次にテール、ヒレ、モモ、サーロインの順で多い)
・マトン(もも)
・かに(たらばがに、毛ガニ)
・卵黄
・煮干し
・するめ
・ほたて
その他、たらこ、いくら、サザエ、しじみなどの魚卵・魚介類にも多く含まれます。
【銅を多く含む10食品】
・牛肉レバー
・ほたるいか
・うなぎの肝
・あんこうの肝
・しゃこ
・えび (100gあたりでの含有量は桜えび(干しえび)>伊勢えび>大正えび>甘えび>車エビ>ブラックタイガーの順に多く含まれます)
・そら豆
・フォアグラ
・カカオ豆(ピュアココア、チョコレート)
・カシューナッツ

まとめ

うつ病のメチレーションタイプ別食事についてご紹介していきましたが、
何事もバランスが大切です。低メチレーションタイプだからと言って、お肉ばかり食べているようではNGです。お肉の消化に必要な胃酸や消化酵素が不足していては、逆に体調悪化することもあります。

腸内環境改善には、もちろん昔ながらの和食は良いです。
しかし、照り焼きや煮物、酢の物など「砂糖」も多く使う料理も多いですので、そこは注意しましょう。
反対に、洋食であればパンではなく、ライスにしたりと工夫次第です。
和洋折衷料理でも互いの欠点を補う食事であれば、和食と洋食(多国籍料理)を組み合わせて、楽しい食生活にすることも長く続けるコツです。
オリーブオイルとハーブを使った地中海料理(パンやチーズはなしで)、スパイスを効かせたタイやベトナム料理、化学調味料を使わず手作りの中華料理などなど。
栄養療法をやっていると、制限ばかりで、せっかくの楽しいはずの食事が辛くなってしまう患者様も見受けられます。
「食」は栄養とお腹を満たすだけではなく、こころを満たすものでもあります。
ですから、家族や仲間との会話を楽しみながら、楽しい食事にしてください。
最後に、
しっかりと栄養素を吸収させるには、腸内環境が大事になることは忘れないでくださいね。
腸内環境を整える食事はこちらに詳しく書いてありますので、目を通してみてください。

皆さんは「食物繊維」を意識して摂っていますか? 一昔前では、消化吸収できないために、栄養素としては扱われず存在も薄かった「食物繊維」も今...

以上、ご覧いただきありがとうございます。

ご注意 : 治療効果には個人差があり、すべての方に効果があるとは限りません。

全ての慢性疾患は生活習慣が関連しており、食事や環境の改善が不可欠です。そのため患者様自身が勉強して身に着けていただく事がとても大切になります。

そこで、私どもは勉強会を開催し、診断治療法について公開しています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする