人間には、体が危機におちいった時、警告を発して体を休めるように促すしくみがあります。
代表的なものが、「痛み」や「発熱」そして、「疲労」です。
この3つのうち、疲労は他の2つとは違う特徴を持っています。
それは、「あまり危機感を感じない人が多い」ということです。
痛みや発熱があると病院に行ったり、会社を休んだりする人も多いのですが、疲労に関しては、「疲れているな」と感じても病院に行く人はあまり多くありません。
しかし、「疲労」には必ず原因があります。
疲労を放置しておくと、つらいばかりでなく、どんどん悪化していくこともあります。
このサイトでは、病院に行っても見逃されがちな「疲労」の原因について解説をしています。
コンテンツ
疲労を起こす様々な病態
慢性疲労の女性の例
主訴
・とにかく疲れやすい
・朝が起きられない、休みの日は1日中寝ている
・不妊症で治療中。これといった婦人科的異常はない。
・強迫神経症
車を運転するたびに人を引いてしまってないか心配になる
今まで不妊治療で婦人科に、強迫神経症で精神科に通院していたが、改善が見られず相談。
ミトコンドリア機能障害
・慢性疲労
・不妊症
・うつ、強迫神経症
さて、この3つの症状に共通する事はなんでしょうか?
こたえは、「細胞機能障害」です。
人間の体は60兆個の細胞からできています。
その細胞では体を動かすのに必要なエネルギーを作っています。
ミトコンドリアがエネルギーを作っている
細胞の中でエネルギーを作っている場所を「ミトコンドリア」といいます。
「疲れやすい」ということは、「細胞のミトコンドリアの働きが悪い」ということです。
ミトコンドリアは脳や筋肉、肝臓や心臓などの細胞に特に多い事が知られています。
なぜなら、それらの臓器はエネルギー需要が高いからです。
通常の細胞にはミトコンドリアが数百個ありますが、脳や心臓の細胞にはミトコンドリアが数千個あると言われています。
ですから、ミトコンドリア機能が低下すると、脳や心臓や肝臓の働きが大きく低下し、疲れやすくなります。
また、脳が疲れるのでうつ症状がでます。
ミトコンドリアの影響が一番大きい場所
ミトコンドリア機能の影響を一番大きく受ける場所があります。
それは、卵子です。
女性の生殖細胞である卵子はとりわけミトコンドリア数が多く、卵子ひとつあたり10万個ものミトコンドリアが含まれています。
排卵から受精まで、多くのエネルギー源を、ミトコンドリアでまかなう必要があり、ミトコンドリアの不調によって排卵、受精障害を引き起こします。
つまり、この女性は臓器別にみると、脳や筋肉、卵子などの障害ですが、細胞という観点から見ると、ミトコンドリア機能障害とひとくくりにすることができます。
まとめ
「疲れの大きな原因は細胞のミトコンドリアの機能低下である」
「ミトコンンドリアが多い細胞(肝臓や脳、卵子など)は特に影響を受けやすい」